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「星野ジャパン」と姿重なる“ドコモ・ジャパン”

自国リーグに執着、国際化への対応放置が敗因

  • 菊池 隆裕

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2008年8月27日(水)

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 北京五輪が幕を閉じた。悲願のメダルを獲得した陸上の男子400メートル・リレーや、宿敵の米国チームを下して金メダルを奪取したソフトボールをはじめ、選手たちの活躍には大いに興奮した。一方、本来の力を発揮することなくメダルを逃した野球の日本チームの結果には、特に応援していただけに残念だった。

 この野球で際立ったのが、予選リーグと決勝リーグで日本に連勝し、9戦全勝で優勝を飾った韓国チームの強さである。いくつかの報道で知ったのだが、韓国ではこの1年、北京五輪での金メダルを目指して、国内リーグに国際ルールを導入してきたという。きっかけとなったのが、日本が優勝した2007年開催の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での敗戦。その敗戦を受け、国内リーグでも国際公認球を使用し、国際採用されているストライクゾーンの導入に努めたのだという。

 もちろん、これだけが勝因とは言い切れない。韓国選手には兵役免除というモチベーションがあるのも大きかったと思われるが、「世界一になる」という明確な目標の設定が“掛け声”にとどまることなく、すみやかに「国際ルールと国内ルールの相違」という原因を特定し、迅速にルールを変えたマネジメント層の決断、そして短期間で結果に結びつけた現場の実行力はさすがと言わざるを得ない。

国際ルールに適合した韓国

 このエピソードを聞いて、ここ数年における日韓のモバイル業界の取り組みの違いそのものではないかと感じた。韓国チーム=韓国の端末メーカーに置き換えてみると、サムスン電子やLG電子といった韓国の端末メーカーは日本勢に先駆けて国際市場への適応を図り、国際化に成功したと言えるからである。

 携帯電話の用途で音声通信が主流だった2000年くらいまでさかのぼると、日本メーカーも韓国メーカーも国際市場での存在感はほとんどなかった。その後、携帯電話端末のマルチメディア化に伴い、韓国勢だけが急伸した。世界のトップメーカーになるという目標を掲げ、世界市場に技術的にも価格でも適合した端末を投入した結果、上位に食い込んだのだ。

 もちろん、この間、日本メーカーも手を拱いていたわけではない。あるメーカーは国内での成功を引っさげて欧州市場へ、別のメーカーは中国市場へ展開しようとした。しかし、いずれも成功を収めることができず、撤退を余儀なくされた。

 日本メーカーの技術力は世界中の誰もが認めるところである。しかし、現実には受け入れられなかった。その理由について、元クアルコムジャパン会長で端末事情に詳しい松本徹三・ソフトバンクモバイル副社長が、8月中旬に行われた日本外国特派員協会(FCCJ)主催の討論会で端的に説明していた。直接的には、海外の通信事業者にとって日本メーカーが作った端末の価格は高すぎたことだが、松本副社長は「端末のアーキテクチャ(基本構造)を整理できなかった」という日本のメーカーに共通する弱点を指摘した。

 今では改善に向かっているが、以前の日本メーカーは要求が異なる通信事業者ごと、そして機種ごとに機能をそれぞれ作り込んでいた。このため端末1機種を開発するのに、開発コストは100億円もかかっていたのだという。仮にその機種が100万台売れたとすれば、1台あたりの開発コストは1万円になる。そこに、部品コストや流通コスト、端末メーカーの利ざやを乗せると端末の店頭価格は簡単に5万円以上になるという計算だ。しかも、現在の日本では、年間の総販売台数が4000万台くらいあるのに対して、機種数は100を超えている。1機種で100万台を売るのは容易ではない。

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