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金融クライシスを引き起こしたのは「非線形」

危機回避のために「非線形複雑経済学」を推進せよ

  • 宮田 秀明

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2008年9月26日(金)

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 米国のサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題から始まった金融システムの破綻が世界に大混乱を引き起こしている。過去にも何度も繰り返された金融不安が、21世紀になって、もっと大きな形で世界を揺るがせている。金融の世界には進歩というものが無いのかとさえ思う。証券化などの新しい金融技術が拡大する一方で、十分成長していない金融工学や不十分なリスク評価法などが原因を与えているという解説はそれなりに納得できるものだ。

 しかし、それだけではまだ本質を突いていないと感じている人は多いのではないだろうか。ましてや、連日マスメディアに登場する経済評論家やエコノミストの説明を熱心に聞く人はそうはいないと思う。既に起こった事象の結果と直接的な因果関係を説明しているだけだからだ。幾分かの知識があれば、誰でもそんなことはできる。

 今年の元旦の新聞ではたくさんのエコノミストが2008年の株価予想を行っていた。約1万4000~1万8000円という予想の数字の羅列を見て、昨年の実績結果をまとめたのと変わらないと思った。予測することは一番難しいことには違いないが、結果を解説するだけの人はいらないと思う。もっと進化したエコノミストを期待したい。

 あるエコノミストの方と夕食を一緒にした時、私は話した。

 「経済は非線形ですね。非線形を大きなテーマにしなければ」

 そうして私は彼に非線形の意味を説明した。

私の研究の歴史は「非線形」との闘いの歴史

 自然科学の世界では非線形なことが多い。非線形なことは難しいから、20世紀の初めから3つの四半世紀は線形な考え方と経験だけであらゆる問題を解決しようとしてきた。非線形なことに対処する能力がなかったのだ。最後の四半世紀は非線形なことにも答えを出せるようになり、自然科学の世界は大きく進歩した。

 非線形ということは1+1=2ではないことが発生するということだ。波なら1メートルの波とマイナス1メートルの波が重なれば波は消えてしまう。これは線形な世界だ。しかし、スマトラ沖地震による津波は30メートルの高さになったし、歴史上一番高い津波はアラスカの湾内で起きた高さ520メートルの津波とされている。津波でなくても、太平洋には高さ30メートルの波が発生し、すべての船は一生に一度この非線形な波に遭遇することを想定して設計されている。

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