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金融崩壊、押し寄せる情報流通の波

IT投資が売上増に貢献しない日本企業

  • クロサカ タツヤ

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2008年10月16日(木)

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IT化による投資収益率の向上は3割

 日本企業は、海外企業と比べてIT(情報技術)を使いこなしていない。情報通信総合研究所と九州大学大学院経済学研究院篠崎彰彦研究室が実施、2007年11月に発表した日米独韓の4カ国調査『企業改革と情報化の効果に関する国際比較アンケート』によると、「IT化による投資収益率の向上」との回答が、日本企業はわずか3割。米は7割、独韓は5割で、大きく見劣りする。また、「顧客意見の吸い上げによる新ビジネス創出能力の向上」では、米独韓が4~5割だったのに対し、日本は3割足らず。作業効率の改善や社内の情報交流では、各国間で大きな差はない。IT化をどうビジネスの変革に結びつけていくか、日本企業にとって高いハードルとなる。

 世界的な金融危機が猛威を振るっている。米国金融機関の相次ぐ破綻や大手企業の経営危機に続き、欧州でも銀行の国営化や政府による預金保護などの動きが急だ。

 日経平均もあっという間に1万円を割り込み、企業活動や景気の先行きに不安が広がっている。確かに日本も短期的には、こうした流れに付き合わざるを得ないだろう。残念ながら日本は今回の震源地たる米国債を大量に保有しているし、そもそものきっかけとなった米政府系住宅金融機関フレディマックとファニーメイの債券保有者も国内にあちこちに存在する。米国の信用失墜が、そのまま日本の保有資産の毀損にもつながる以上、今年はかなり厳しい冬を迎えるのは間違いない。

「実体経済に戻れ」の大号令

 とはいえ中長期的には、希望もある。日米欧を見比べた時、相対的に余力が残っているのは日本だろう。また今回の金融危機は単なる景気循環によるものではなく、カネがカネを呼ぶことに価値を求める「レバレッジ経済」の崩壊を伴っている。以前に本コラム(「市場」と「技術」のリーダーが勝てない? )でも触れた通り、いま世界中で「ファンダメンタル(実体経済)に戻れ」という大号令がかかっているが、そこで誰が有利かといえば、今のところ日本だと私は信じている。

 もちろん、雌雄を決するのはこれからだ。油断すれば足下をすくわれる状況だし、なにより肝心の勝負は今から始まる。まさに21世紀の“天下分け目の関ヶ原”という状況で、日本が勝ち残るために、何が必要なのだろうか。

 グローバル化への新たな対応は、改めて指摘するまでもなく必須だろう。今回の金融危機は、その流れを止めるどころか、むしろ世界秩序の再編を促している。先日も、ドイツとロシアが西シベリアの油田共同開発に合意し、また国そのものの破綻も懸念されるアイスランドを巡り、ロシアと英国が対立しつつある。

 さらに新興国の危機に備え、外貨準備高の豊富な日本と中国の中央銀行でファンドを作るというプランも出てきた。米ドルという基軸通貨の信用が崩れていく中で、各国の政府や企業は、自らの経済圏の再編を世界規模で迫られているのだ。

 金融や経済状況が異なるのに日米で株価が連動しているのは、投資ファンドを含む外国人投資家がすでに多数派であることに加え、日本の優良企業の多くはすでに海外市場(特に米国、中国)での収益が大きく、彼の地の状況が業績に直接影響するからだ。金融経済、実体経済、いずれも既にグローバル化しているのである。

 ここから目をそむけるわけにはいかない。日本が今後生き残っていくには、自分たちの目が届く国内はもちろん、海外においても、投資家との関係を深め、また生産拠点や市場をマネジメントして、総合的に資本を強化し、収益を得なければならない。

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