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世界最速を支えるチームマネジメント

日本グランプリの現場で見たF1チームの経営(2)

  • 宮田 秀明

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2008年10月31日(金)

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 800人ものチームをどのようにマネジメントすると、世界最速のF1マシンを作り上げることができるのか。重要なのは、最前線であるサーキットの現場で得た知識をチームのメンバー全員が共有し、自発的に行動できるようにすること。元年間王者フェルナンド・アロンソを擁するINGルノーチームの技術系トップとしてチームを支えるパット・シモンズ氏へのインタビューをもとに、前回の「世界最速を極めるエンジニア魂」に続く後編として、「世界最速を支えるチームマネジメント」をテーマにお届けする。


日本GPで勝利したフェルナンド・アロンソが所属するINGルノーチームのエグゼクティブエンジニアリングディレクター、パット・シモンズ氏にインタビュー(写真:小久保松直 以下同)

 アメリカズカップは3~4年ほど技術開発競争を行い、オリンピックと同じく4年に1回、4カ月もの長期間にわたって毎日続くようなレースを行う。しかし、F1は毎年8カ月ほどのシーズンに18回前後ものレースが行われる。このため、技術開発とテストとレースは並行して進められる。毎年技術は進化しなければならないし、レギュレーションも毎年のように変化していく。

 F1の技術マネジメントの難しさは、「開発」「テスト」「レース」の3つのチームを時間軸上で結ぶことにある。各レースでのマシンの結果は来年のレースカーを開発している開発チーム、テストを繰り返しているテストチームにフィードバックさせなければならない。

 全く違う世界のことだが、アパレル小売業の中で今年一人勝ちをしているのはユニクロである。20%の増益ペースである。SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)、つまり製販統合を極めようとする経営姿勢が好調の原因である。

F1チームとアパレル小売業の共通点は「現場情報重視」

 レースに相当するのが店舗販売の現場で、テストが製造で、開発が新商品開発である。この3つが有機的に連結し、顧客満足度の高い新商品が開発され、販売動向を見ながら適切な生産が行われているのだろう。これがSPAビジネスである。

 アパレル業界に限らず、誰かが企画生産した商品を調達するバイヤーやMD(マーチャンダイザー)に頼る小売りビジネスは徐々に陳腐化するだろう。顧客とメーカーを最も単純化する形で情報によって緊密につなぐビジネスが生き残っていくものと思われる。

 F1と小売業のアナロジーはちょっと突飛に思われるかもしれないが、大切なことだ。

 2週間ごとに、場合によってはたった1週間の間隔でレースがあって、しかも世界中を渡り歩く、まるで国際営業するサーカス団のようなF1のレースチームにとって、1日1日の仕事は過酷なものに違いない。次のレースのことだけで頭も体もめいっぱいで、来年のことなど考える暇はないはずだ。どうしても目先のことに追われる近視眼的な経営に陥ってしまいがちだろう。

 私も2000年のアメリカズカップの時、次のレースのためにやるべきことを伝えるとレースチームによく言われた。

 「でも、皆疲れていますから」
 「でも、それできませんよ」


INGルノーチームのピット。世界を転戦するF1のレースチームは、解体されたマシンを毎週のようにサーキットに運び込んで組み立ててセッティングし、レースに臨む

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