• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

不景気と幇間と大統領

「オバマの幇間」~ヨッ、いい遣いっぷりだねえ、旦那!

  • 須田 伸

バックナンバー

2008年11月4日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 広告の先祖は、お店の開店などをふれてまわるちんどん屋さんと言われることが少なくありません。しかしながら、最近、ぼくは、広告屋の先祖は、ちんどん屋さんではなく、幇間、いわゆる「たいこもち」という職業なのではないかと思うようになりました。

 たいこもち、という商売は、今はもうすっかり姿を消してしまったようですが、以前はお金持ちがお座敷で芸者衆をあげて、ドンチャン騒ぎをするときに呼ばれたりして、祝儀を目当てにお客さんを褒めて、褒めて、持ち上げていい気持ちにさせる、そんな商売だったようです。

「いや、しかし、けっこうなお座敷ですな。これだけ、綺麗どころを一堂に集めて、パッと一晩、派手にやろうなんてイキな方が、ここのところの不景気ですっかり消えちまった。でもね、みんなが元気のないときに、ウワっと賑々しくやるのが、あなた、本当に遊びを知っている方ってもんですよ。はい」

 みたいな調子で、お客さんの着ているものを褒め、食べっぷりだの、飲みっぷりだの、あらゆる仕草を褒め、ということで、すっかりいい気分にさせられた方は、思わず財布の紐がゆるんで祝儀をはずんだりしてしまったようです。

お金を使いたい気分にさせる役

 なんで、そんなたいこもちが、広告のご先祖様かと思うかというと、テレビCMなんかを見ていても、よくよく聞いていると、その言わんとしているところは、つまりはたいこもちと同じなんだということに、最近、気づいたからなんです。

 たとえば、大型テレビのCMを見ていると、こんな声が聞こえてくるんです。

「いよっ! 旦那、いいカタチですね。しかし、まぁ、旦那のようなお方が、アナログテレビというのは、これは、どうもいけませんね。2011年にはうつらなくなっちまうそうですし、どうですかね、ここらで、ドーンと、液晶か、プラズマあたりの、最新式に買い換えては? 部屋にこもりっきりでケータイばかりいじってる、お坊ちゃんやお嬢ちゃんも、きっとリビングに出てきて、お喜びになりますよ!」

 こんな調子で、お客の気持ちを持ち上げて、財布の紐を緩ませる、その語り口はCMによってさまざまなアプローチがありますが、つまるところは、広告というものは、ある種のたいこもちだなと、思うようになったんです。

 ところが、ここのところの世界的な同時株安と円高で、消費のほうは悪化しているようです。景気をよくするために、現代のたいこもち、広告にできることは何かないのか、今回は考えてみたいと思います。

景気の「気」と、不況を意味する英語の「Depression」

 このサイトをご覧の方には、今さらご説明することでもないのですが…

 お金の流れ、需要と供給の関係で為替が変動し、さまざまな輸出関連企業に影響を及ぼし、経済の先行きを左右する。そうした、理屈で説明できる経済の流れとは別に、「世の中の気持ち」という、理屈という以上に感情的なものによって世界経済は少なからず影響を受けています。

 景気がいい、とか、景気のほうはさっぱりだ、と言ったりする「景気」という言葉にも「気」という漢字が使われます。英語でも、不景気を意味する「depression」という単語は、「気持ちの落ち込んだ状態」「うつ病」といった意味でも使われます。

 たとえ株式相場でお金を運用していなくて、銀行の定期預金の利息だけで十分に暮らしていけるというお金持ちであっても、まわりが「財布の紐をしめるようにしています」「外食はできるだけ控えてます」「最近はめっきり客足が途絶えております」といったニュースを聞けば、自分だけ以前と同じようにお金を使うことにためらいを感じたとしても不思議ではありません。

となると、たいこもちは重要だ

 じっとしていよう、余計なお金を使わないでいよう、というのは、経済的に説明がつく部分もありますが、同時に、きわめて感情的な行為である部分も少なからずあるように思うのです。

 株式相場における企業の価値というのも、そうした気分に大いに左右されます。この原稿を書いている時点では若干株価が持ち直していますが、一番下落した際には、トヨタの株価が「解散価値」を下回っていると聞いて驚きました。それは、どう考えても理屈だけでは説明がつきません。マーケットという生き物の感情が一気にある方向に引っ張られた結果なのでしょう。

 だとするならば、景気を持ち上げるためには、経済政策の理屈だけがいくら立っても駄目で、「気」の部分を持ち上げる、まさにたいこもちのような存在が必要な気がするのです。

全米ネットワーク局のプライムタイムを買いきったオバマ候補

 ここで話は、いよいよ現地時間で11月4日に迫ったアメリカ大統領選挙に飛びます。

コメント0

「Web2.0(笑)の広告学」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「絶対これしかありません」というプランが出てきたら、通しません。

鈴木 純 帝人社長