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小浜市さん、お祭りは「納めどき」が大事です

戦略的PRには「冷めた目」も必要

  • 須田 伸

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2008年11月11日(火)

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 オバマ氏が歴史的勝利を収めたアメリカ大統領選挙。日経ビジネス オンラインでも、今回の選挙をさまざまな角度から分析していますが、このコラムでも取り上げたいと考えております。ぼくが注目したのは、福井県小浜市の盛り上がりぶりです。

 ケーブルテレビで視聴するCNNでも紹介されていましたから、その熱狂は日本国内だけでなく世界に向けて発信されています。当選後のオバマ氏から麻生首相への電話の中でも「小浜市のこともよく承知している」という旨の発言があったと報道されていました。

 しかし、この小浜市に対しては「日本の恥を世界に晒すような真似は、もうやめてくれ」といった声も広がっています。日本海に面した小さな街が、世界的な注目を浴びるという点で、「すさまじいPR効果」と見る向きもあるようですが、果たして今回の小浜市のフィーバーは、小浜市のイメージにとってプラスに作用するのか、はたまた逆効果なのか、今回は検証してみようと思います。

「小浜市民、就任式にホワイトハウス前でフラダンスを計画」へのブーイング

 大統領選挙の序盤戦においても、「小浜市が勝手にオバマ候補を応援している」というニュースは報道されていました。しかし、その時点ではそうしたニュースを見ても、よその国の大統領選挙にうまくあやかってお祭り騒ぎをしていて、まぁ、それはそれで結構なんじゃないか、という受けとめ方が大半だったと思います。むしろ、街への注目度を高めて観光客を誘致するような目的を持った戦略的PRとして行っているのであれば、それはなかなか賢いな、とすら感じたくらいです。

 しかし、大統領選挙の投票日の中継で、「オバマガールズ」と名づけられた女性たちがフラダンスを披露している姿が世界に配信されるのを見ていて「明らかにやりすぎ」と感じる方に転んでしまったように思います。さらに、このフラダンスを、来年1月の大統領就任式の当日にホワイトハウス前で披露する計画がある、という報道を受けて、ネットでは小浜市に対する大ブーイングが広まっています。個人的にも、違和感をおぼえてしまいます。

 今回の大統領選挙は、オリンピックの金メダルを争ってのスポーツ競技ではありません。少なくともあと100年は無理、といわれたアフリカ系アメリカ人の大統領就任が現実になった日です。リンカーンによる奴隷解放宣言、さらに1960年代の公民権運動、そして現在も存在する人種差別と、格差社会の現実といった、多くの血と命が流されてきた歴史のうねりの中の、記念碑的な出来事なのです。

 名前の発音が同じだから応援する、ということを完全否定するつもりはありませんが、小浜市がこうした歴史的意味づけについて十分な敬意を払っているとしても、それがフラダンスや饅頭の無料配布(正確に言うと、それを伝える報道)からは伝わってこないのです。

 日本にも、在日朝鮮人であったり、アイヌであったり、部落問題であったり、アメリカにおけるアフリカ系アメリカ人が受けてきた差別と同様の問題が存在します。たとえば、小浜市が、そうした国内の差別問題に対して、こんな働きかけをしている、といったことがあれば、印象も変わったと思うのですが、残念ながらそうした報道は一度も目にしていません。

 ハワイ出身のオバマ氏にちなんでフラダンス、というのは、インドネシアからハワイに移住した際に人種差別的発言をクラスメイトにされて、その相手を殴り倒したというオバマ氏のバックグラウンドを、表層的にしかとらえていません。

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