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悪いニュースが嫌いな人たちへの良いニュース

2008年11月18日(火)

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 「新聞を見ると、調子の悪い見出しが大きく出ている。株価がさらに下がった、ある企業の売り上げが落ちた、別の企業が赤字になった、レイオフ(一時解雇)が至る所で行われている。…そういう悪いニュースを毎日読んでいると、気持ちが縮む。そして世の中の調子がもっと悪くなる。見出しはちらっと見る程度でいい、すぐ仕事に戻り、自分の製品やサービスをひたすら磨くべきだ。大きなイノベーションは、不景気の時に起きている」

 こう言われた時、「全くその通り」と筆者は相槌を打った。日経ビジネス オンライン読者の皆様は、どう思われただろうか。これは、インターネットビジネスの起業家として著名なジェイソン・カラカニス氏の発言である。11月10日、来日した同氏に「スタートアップ(いわゆるベンチャー企業)の経営に取り組む企業家は今、どうすべきか」と聞いたところ、冒頭の答えが返ってきた。

 カラカニス氏はいわゆる“ドットコムバブル”が弾けた後に、Weblogs,Incという企業を創業し、有名なブログを複数生み出し、成功を収めた。Weblogを米タイムワーナーに売却、2007年にMahaloと呼ぶ検索サービス会社を創り、同社のCEO(最高経営責任者)を務めている。

 カラカニス氏自身が有名なブロガー(ブログの書き手)の1人であったが、つい最近「ブログから引退しメールマガジンに戻る」と宣言し、話題をまいた。同氏のブログ引退を巡る記事が11月6日付の英エコノミストに掲載されたほどである。

暗いニュースでも報道せざるを得ない

 「経済混乱期におけるスタートアップ経営」について、カラカニス氏は縦横無尽に語ってくれた。聞いているだけで何やら元気が出てくる同氏の発言内容は、本欄で追って紹介したい。今回書きたいのは、米国の金融危機を発端にした世界の経済混乱に、メディアの情報発信が拍車をかけてしまうという問題だ。

 カラカニス氏に会う前、ある日本企業の幹部から「日本や日本企業の将来をどう思うか」と聞かれたので「先のことなど分からない」と断ったうえで、「メディアが調子の悪いことばかり報道するので、実態以上に物事が悪く見えている面がある」と付け加えた。報道を見た経営者や個人は、経費削減に力を入れたり、財布のひもを締め直したりする。するとかえって景気が悪くなってしまう。その幹部は「全くそうだ。日本企業は、自分の実力にもっと自信を持った方がよい」と頷いた。

 「報道が世の中を暗くする」という問題を考えていたところ、カラカニス氏に全く同じことを言われてしまった。厄介なのは、株価低落や不調な決算数字や人員削減策はそれ自体事実であり、メディアとして報道せざるを得ない、という点だ。国を代表する企業の業績が悪化したら大きく取り扱うしかない。

 いやいや、こういう時こそ、無名だが地道に成果を上げている企業や新しい経営手法や技術を積極的に紹介すべきだと筆者は思うものの、そうしたニュースを一面トップに持っていけるのか、と問われるとこれは悩ましい。

コメント14件コメント/レビュー

そもそも、悪いニュースか良いニュースかは受け手側に委ねるべきです。出し手側が「これは良いニュースだ」、「これは悪いニュースだ」と、至極単純に決めつけて、それをさらに助長するように記事にし、報道しているのが最大の問題だと感じます。「良いニュースしか記事にしない」のではなく、「どんなニュースであっても、その中で、読者の今後の役に立つ(と思われる)ものを探し、記事にする」という姿勢であっていただきたいと思います。(2008/12/17)

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「悪いニュースが嫌いな人たちへの良いニュース」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

そもそも、悪いニュースか良いニュースかは受け手側に委ねるべきです。出し手側が「これは良いニュースだ」、「これは悪いニュースだ」と、至極単純に決めつけて、それをさらに助長するように記事にし、報道しているのが最大の問題だと感じます。「良いニュースしか記事にしない」のではなく、「どんなニュースであっても、その中で、読者の今後の役に立つ(と思われる)ものを探し、記事にする」という姿勢であっていただきたいと思います。(2008/12/17)

筆者の言いたいことや想いはよく分るのですが、私は反対です。「悪いニュースが嫌いな人たちへの良いニュース」もあってよいでしょうけれど、悪い事実は正確に報道されなければならないと私は思います。日本人は大人の思考が出来る人が少ないと思いますが、そこまでマスメディアの担い手である筆者が心配されるのは行き過ぎだと思います。悪いニュースは正確に伝えて、もし希望的な意見や事実があるのでしたら、付記されてはいかがでしょうか。端から書かない、ではマスメディアの責任放棄だと私は思います(2008/12/12)

全く同感です。最近の日本は、世の中みんながまるで風紀委員のように他人のアラを探しているようで、窮屈でしょうがありません。官制不況もその帰結の一つでしょう。その風紀委員の総元締めがマスコミですよね。もっと明るいニュースを世に広めるとともに、もっと他人に対して寛容な社会作りはできないものでしょうか。(2008/11/19)

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三品 和広 神戸大学教授