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投資案件で「リスクはないか」「安くならないか」はナンセンス

未知の分野に挑戦せよ

  • 横浜 信一

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2008年12月9日(火)

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 仕事柄、時々企業の役員会議にオブザーバーとして参加させていただく機会がある。様々な投資案件などが諮られる議論がされるわけであるが、そこでよく聞くのは、「リスクはないのか?」という質問である。

 こうした質問を聞くと、正直がっかりさせられる。リスクはあるに決まっているからである。リスクがあるからこそ役員会議に諮っているのであり、リスクがなければわざわざ役員の忙しい時間を割く役員会議に諮る必要はない。

 役員に求められているのはリスクも理解したうえで、そのリスクを取るかどうかの判断である。実は説明する側にも問題はあり、案件を通したいがゆえに、リスクを詳らかにせずに説明する傾向がある。このような雰囲気の会議体だと、お互いが疑心暗鬼になり、重箱の隅をつつくような議論に陥ってしまう。

リスクのあるなしは、IT投資でも同様

 同様のことはIT投資の判断においても当てはまる。IT投資の場合は情報システム開発がうまく進まないというリスクもあるが、出来上がった情報システムがうまく活用されるのか、そして期待された効果を生み出すことができるのか、そこの判断の方が重要である。

 例えば、営業力強化のために営業マンの日々の活動をサポートする情報システムを開発するというIT投資案件であれば、営業マンの個人個人の行動変革を行えるのか、また、営業マンが得てきた情報に基づいてマーケティング戦略を考案・実行するような本部改革を行えるのか、これを見極めて役員一同が腹を据えられるか、が論点となる。

 「腹を据えて取り組む」「大変かもしれないがやり遂げよう」となればその案件はGOであるし、「それは今の自社には無理だ」ということであれば、案件としてはNO GOの判断が下される。本来、IT投資の是非の議論はこうした「ノンIT」の領域が中心になるはずである。

 ちなみに、IT投資案件の場合にもう1つよく出てくる質問として、「もう少し安くできないのか」があるのだが、これもかなりナンセンスな質問である。安くできないか、と聞かれれば、安くできるからである。

 ものにもよるが、情報システムを作る場合、開発コストの約40%はソフトウエア開発であり、その半分近くはテスト工程にかけられる。ハードウエアや機器コストが既に大きく下落している今日、求められる情報システムを安く作る方法はこのテスト工程を省くやり方である。

 求められた性能の範囲で最もコストが低くなるような工夫は、通常情報システム部員のレベルで十分になされている。おそらく「もう少し安くできないのか」という質問の趣旨は、求められる性能・機能を見直す代替オプションはないのか、あれば示してほしい、ということだと思うのだが、そうであれば「仮に何らかの性能・機能を削ぎ落とすとするとどんな代替オプションがあるのか、その場合のメリット・コストは原案に比べてどうなるのか」と質問すべきである。

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