「宮田秀明の「経営の設計学」」

2009年の経営者に必要な力

知識や専門能力よりも重要なものがある

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2009年1月9日(金)

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 今から5年前、「科学技術と経済の会」のフォーラムで講演したことがある。この会は簡単に言えば製造業のCTO(最高技術責任者)の会である。この会のメンバーにはその頃までの私の仕事に近い世界の方々が多く、理系の経営をする当事者たちである。

 私の講演内容は簡単に言えば“新しいモデルを創造するためのプロジェクトマネジメント”だった。もちろん、盛り上げるためにアメリカズカップのプロジェクトの例も話した。

理系の経営者に元気がないのはなぜ?

 私とNTTドコモの方が講演した後に、懇親会があった。この懇親会が面白くなく、非常に残念だった。懇親会でお話しした方々の反応は、

 「面白かったです。でも我が社ではできませんね。他社も同じだと思います」

といった声が多かった。その後、この日の参加者約120人の方と再度お会いする機会もないままだ。つまり私の講演はあまり役に立たなかったということだろう。

 経営者に限らず、文系、理系と区別することに意味があるとは思わないが、なぜか理系の方々に元気が感じられないことが多い。

 それから1週間後、今度は「価値創造フォーラム21」という経営者の会の方々に講演した。聴いてくださった方の平均像は有名私立大学経済学部出身の経営者だと思う。

 こちらの懇親会の雰囲気は全く逆だった。

 「先生、面白いですね。何かウチと一緒にやりましょうよ」

 こんな調子だった。

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著者プロフィール

宮田 秀明 (みやた ひであき)

宮田 秀明

1948年生まれ。1972年東京大学大学院工学系研究科船舶工学専門課程修士修了。同年石川島播磨重工業(現IHI)に入社、77年に東京大学に移り、94年より同大教授。専門は船舶工学、計算流体力学、システムデザイン、技術マネジメント、経営システム工学。世界最高峰のヨットレース「アメリカズ・カップ」の日本チーム「ニッポンチャレンジ」でテクニカルディレクターを務めた。著書に『アメリカズ・カップ―レーシングヨットの先端技術―』(岩波科学ライブラリー)、『プロジェクトマネジメントで克つ!』『理系の経営学』(日経BP社)など



このコラムについて

宮田秀明の「経営の設計学」

経営には「論理」が必要である。論理を積み重ねた理系思考がイノベーションを育む。技術力を最大限に生かし、プロジェクトをまとめ上げ、新しいビジネスを創造する。「理系の経営学」を提唱する東京大学の宮田秀明教授が理系の視点による経営の要諦を語る。

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