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新規事業のつくり方

  • 須田 伸

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2009年1月13日(火)

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 2009年最初のコラムになります。
 ずいぶんと時間がたってしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。

 年が変わっても、昨年からの不景気はあいも変わらずというところですが、不景気だ、不景気だと嘆いていても、何も事態は変わらないので、少しでも前向きな議論ができればと思っております。

 そこで、今回は「新規事業」について書いてみようと思います。

新規事業=サイバーエージェント

 私が所属しているサイバーエージェントは、数多くの新規事業から成り立っている会社です。そもそも会社自体が創業10年と少々、新規事業の延長線にあるようなものですが、立ち上がって以来のインターネット広告代理事業に加えて、アメブロに代表されるネットメディア事業や、金融事業とも言える投資育成事業など、さまざまな新規事業を生み、育ててきました。会社は一貫して成長していますが、収益を支える「孝行息子」はその年、その年によって変わっています。

 インターネット広告代理事業はずっと、収益の大きな柱であり続けていますが、ネットバブル崩壊後の苦しい時期には、いち早く着手したモバイル広告が大きく躍進したり、その数年後にはミクシィへの投資育成事業が大きなキャピタルゲインをもたらしたり、昨年であれば外国為替証拠金取引事業が業績に貢献しました。

 また、サイバーエージェントという会社が新聞などで紹介される際にも、「インターネット広告最大手」という従来のものよりも、「アメブロなどのネットメディア事業で知られる」と呼ばれることのほうが増えているように思います。数年後の会社の顔とも言える事業は、今年生まれるものになるかもしれません。年に2回行われている社内の事業プランコンテスト「ジギョつく」も2009年度の1回目がまもなく実施されます。

 この「ジギョつく」は、社員であれば誰でも参加できるもので、優秀な事業プランを提案すれば、賞金の獲得や、自分が提案した事業の事業責任者となることもできます。前回の「ジギョつく」での最優秀プランを提案したのは、まだ社員ですらない今年の春に入社予定の内定者の大学生で、卒業旅行の資金には十分すぎるほどの賞金を獲得しました。

 この「ジギョつく」の他にも、幹部社員の合宿によって新規事業プランを考案する「あした会議」も毎年開催されます。「ジギョつく」が「意思があれば誰でも参加できる」という「皆に開かれたチャンス」であるのに対して、「あした会議」は「幹部社員にとっての義務」という見方もできるかもしれません。「俺のアイデアを発揮できる機会がない」という損失を逃さず、また「俺の地位は安泰だ」という怠慢を許さない、そんな仕掛けというわけです。新規事業をどんどん生み出すDNAを持っているようだ、と社外の方から言われることも少なくありません。

明確な撤退ルール

 しかし、やみくもに新規事業をつくるだけでは、資金がどんどん流出してしまうリスクがあります。

 サイバーエージェントの新規事業を次々と生み出す仕組みの影の主役は「明確な撤退のルール」です。一定期間に黒字化できなければ撤退、というルールをあらかじめ決めてあるのです。これは、冷徹なルールであり、事実「ジギョつく」で最優秀プランに選ばれ、晴れて新規事業としてスタートしたものの、このルールをクリアすることができずに撤退事業となってしまった例は過去にいくつかあります。

 栄えある「ジギョつく第1回」のグランプリを獲得した事業「トライアルネット」もそうでした。実はこの事業には自分自身も少しばかり関わったこともあり、ルール通りの撤退が決まったときには「もう少し長い目で見てあげられないものか」という残念な気持ちを強く持ったことを憶えています。

 しかし、そうした例外を一時的な感情で安易に認めてしまえば、もはやルールの意味はなく、多くの停滞事業が存続することに資金が使われて、新規事業を次々生み出すことは不可能になってしまいます。今から振り返ると、あのときのトライアルネットの撤退は、ルールが厳格に適用されることを全社員に周知することになり、その後の不振事業への「撤退」という「タフな決定」を行い続けること、そして新たな有望な事業プランを速やかに実施に移すことにつながっていると確信することができます。

 もちろんトライアルネットを仮に存続させていれば、今では黒字化していたかもしれません。しかしその代償として、その他の数多くの新規事業の誕生はなかったでしょう。総合的に考えると、ルールの厳格な適用という判断をしたことは、正しかったと思います。

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