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【2】IT業界にgood newsはあるか

2009年1月29日(木)

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 前回でお伝えしたように、1月1日付で日経コンピュータという雑誌の編集長になり、23年間続けた記者の仕事から引退せざるを得なくなった。編集長になって分かったが、実にいろいろな仕事がある。その1つは編集会議の司会で、毎週月曜日夜6時から編集部員20人を集め、あれこれと議論してもらっている。今回の本欄で編集会議における編集長と編集部員のやり取りを再現してみたい。なお、一部のやり取りは全体会議ではなく個別の打ち合わせで部員とかわしたものである。

 編集会議の様子を通じて読者の皆様にお伝えしたいのは、IT(情報技術)の世界で今何が起きているか、注目すべき動きは何か、ということである。本欄で何回か書いた通り、筆者(編集長)はgood newsを発信したいと思っているが、時節柄それは簡単ではない。といってbad newsを報じるのはいかにも安易なので、「何かないか」と執拗に記者たちに尋ねている。すると、少なくともITの世界の動向だけは見えてくる。

 以下では筆者(編集長)をYに、編集部員たちをまとめてNと表記する。それぞれYは筆者名(谷島=やじま)、Nは日経コンピュータの頭文字である。

クラウドコンピューティングは面白いか?

Y: 何度か話をした通り、本年の日経コンピュータはgood newsを発信していきたい。正直に言えば記者時代、もっぱらbad newsばかり書いてきたが、方針を変更する。新聞やテレビがbad newsばかり報道している今、あえてgood newsを探し出し、専門誌の存在価値を示したい。

N: good newsって、例えばどのようなものですか。

Y: 皆さんがいいニュースと思うものなら何でもよい。当たり前だが新しい技術、新しい製品、新しい利用事例はこれまで以上に掲載したい。事例については、ITやコンピューターを使って、仕事がうまくいき、儲かったという話を読みたい。

N: 新しい技術や製品となると、やはりクラウドコンピューティング(企業が自社でコンピューターを持たず、インターネットの向こうにあるコンピューターの処理能力を利用すること。インターネットを雲として表現することがあり、この名前がある)で総称される動きが重要ではないでしょうか。編集長はお好きでないようですが。

Y: 好き嫌いが激しいことは認める。ただ、個人の好みだけで記事として掲載するかどうかを判断するつもりはない。それから誤解があるようだが、クラウドコンピューティングそのものが嫌いというわけではない。前に、ある記者と議論したけれども、新しい話がどの部分なのか、よく分からないと言っているだけだ。企業がコンピューターを持たなくなる、ということだけなら1つも新しい話ではない。

N: それだけではありません。今、コンピューターとネットワークを支える基盤技術が大きく変化しています。コンピューターのハードウエア、その上で動かすソフトウエア、コンピューターを結びつけるネットワーク、ネットワークに接続する各種の機器、すべてが変わりつつあります。こうした変化の総称として、クラウドコンピューティングを使い、それが企業経営にも影響を与えるという意味で、「エンタープライズクラウド」と呼んでいこうと思うのですが。

Y: なぜカタカナの新語を造らなければいけないのか理解できないが、とにかく新しい動きがあるというなら書いてください。ただ、時間軸を明確にしてほしい。今までのクラウド報道は、2009年の今すでに使える話なのか、2020年頃になれば実現する話なのか、はっきりしない。

パソコンはコモディティーになるか?

N: 2009年の今、起きているのは、既存のコンピューターの世界がコモディティーになってきたということでしょう。コンピューター本体やその上の基本ソフト(OS)の価値が相対的に下がり、全体をつないだクラウドの環境を実現する技術や製品の方が重要になってきています。

Y: コモディティーって分かりにくいなあ。IT産業の人は結構使うけれど、一般にはなじみがない言葉ではないか。均質化して価格が下がった商品といった意味で、使っているのだろうけれど。そういえば20年近く前、大手コンピューターメーカーの技術部門の最高責任者を取材していた時、彼は「パソコンはコモディティーになる、と言われますがそれは大間違い、まだまだ進化していきます」と断言していた。実はコモディティーの意味を知らなくて、よほど「どういう意味ですか」と聞こうと思ったが、さすがにその場では聞けなかった。

コメント3件コメント/レビュー

IT業界で働いていますがなぜかカタカナが多くその意味があまり重要でない場合が多いのではないのか?わざわざ英語でやる必要性もないのでは他の分野でも世界て共通の認識の言葉がありますがわざわざ英語にしているのはこの業界ぐらいでしょう。大抵新語がでるのはそれによって情報を都合よくリードしたいのが見えてきます。Web2.0とかいったいなんだったのでしょうか(笑)(2009/04/05)

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「【2】IT業界にgood newsはあるか」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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IT業界で働いていますがなぜかカタカナが多くその意味があまり重要でない場合が多いのではないのか?わざわざ英語でやる必要性もないのでは他の分野でも世界て共通の認識の言葉がありますがわざわざ英語にしているのはこの業界ぐらいでしょう。大抵新語がでるのはそれによって情報を都合よくリードしたいのが見えてきます。Web2.0とかいったいなんだったのでしょうか(笑)(2009/04/05)

日経コンを取らなくなって、20年以上経ちます。取っていた頃の思い出として、日経コンの『けしかけ』があります。特集記事でユーザを含んで業界をけしかけるが、直後に物になったものはほとんどない。背表紙を並べると、2から3年前の特集が実際の話題・技術としてちょいと出るが、特集で言われたほどのものはない。今後の編集に期待するが、日経xxが多すぎ、実際どの本を購読すべきなのか読者にはわからない。会社で取っている複数のxxを拾い読みしている。一本筋の通った編集をお願いしたい。匿名なら公開してもいいです。(2009/01/30)

IT業界では横文字単語がたくさん出てきます。鉄鋼や建設などでは考えられないですが、それだけITはグローバルな産業であると言えます。グローバルな産業であればあるほど、世界共通言語である「英語」を使わざるを得ません。そして、それをカタカナに直すという作業を行うわけです。わざわざ日本語に翻訳して「ほう、そういう意味なのか」と頭の固い方々がわかった時にはその技術や理念は陳腐化しています。日本のIT産業全体に言えることでもありますが、もう少し世界の中に日本があるという視点を持って欲しいと思います。どうも日本が世界の中心でなければならないというガンコな方が多いように思います。(2009/01/29)

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