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飲料ビジネスから小売流通を考える

現場を歩いて知って見えてくるもの

  • 宮田 秀明

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2009年2月13日(金)

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 研究室の2人の4年生と、自販機飲料ビジネスをテーマとする研究を行った。まず現状調査を2人が行い、私に報告してきた。

 T君が言った。

 「先生、A飲料の自販機を探すのは難しいです。ようやく15台見つけて、何を売っているか調べましたが…」

 「さらにですよ。A飲料の飲料製品約40品目を1つでも展示しているコンビニは20店に1店か2店しかありません」

 共同研究者のK君が別の報告を行った。

 「飲料ビジネスのメインプレーヤーはコカ・コーラです。全国220万台の自販機のうち約60万~70万台はコカ・コーラのものです。A飲料のシェアは約2%で、IR情報によると、A飲料の経営環境にはかなり問題があります」

 はっきり言って、この2人の4年生には脱帽した。昔の船舶工学科の学生もなかなか可愛い奴が多かったが、今の4年生に比べれば子供のように見えなくもない。

自販機飲料ビジネスの競争力の源泉は?

 4年生2人の助言を受け、研究対象企業をA社からシェア約10%のB社に変更し、B社に研究企画の提案に向かった。私が2人の4年生の調査結果を基に説明した。

 「自販機ビジネスは重要です。220万台の自販機で毎年2兆4000億円の売り上げがあります。コンビニでの販売の3倍です」

 「平均年100万円の売り上げがあって、設置者に15%、電気代が5%で、直売ですから粗利率は非常に高いですね。コンビニ販売ではコンビニの粗利率が約40%ですから御社のようなメーカーへの利益貢献は1/3程度です」

 「しかし、自販機ビジネスにはキメ細かな経営が必要です。設置場所によって品揃えは大幅に変え、欠品による機会損失を下げることが必要です」

 私のプレゼンに対してB社の質問はほとんどなかった。その代わり、すぐに研究開発プロジェクトをスタートさせることになった。

コメント4件コメント/レビュー

B社から質問が無かったのは実際は既知の事柄であったからなのではないでしょうか、大学教授の提案なので何かもっとすごいことが出てくるかもしれない、ここは無下にしないほうが得策としてプロジェクトをスタートさせたと思われます。今の自販機の機能的問題点やその改善策、更には今までの常識を打ち破るコンセプトの自販機を提案できれば素晴らしいと思います、前屈みで缶や釣銭を取るのはあまり快適では無いし、深夜の町に響き渡るあの盛大な音もわびしくまた気が引けます皆が何気なく見落としているところに大きなビジネスチャンスがまだ有るのではという御指摘には賛同致します(2009/02/17)

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いただいたコメント

B社から質問が無かったのは実際は既知の事柄であったからなのではないでしょうか、大学教授の提案なので何かもっとすごいことが出てくるかもしれない、ここは無下にしないほうが得策としてプロジェクトをスタートさせたと思われます。今の自販機の機能的問題点やその改善策、更には今までの常識を打ち破るコンセプトの自販機を提案できれば素晴らしいと思います、前屈みで缶や釣銭を取るのはあまり快適では無いし、深夜の町に響き渡るあの盛大な音もわびしくまた気が引けます皆が何気なく見落としているところに大きなビジネスチャンスがまだ有るのではという御指摘には賛同致します(2009/02/17)

>生産性が米国の70~80%と言われる日本の>小売流通業にはまだまだ進歩が必要である。ここでいう"生産性"には、サービスの質については捨象されているのでは?>この業種の利益率は低いままだし、>従業者の給与水準も低いままである。小売流通業は元々利益が薄い商売であり、利益率UP、給与水準UPとなった場合は、大量の失業者を生むだけだろう。(2009/02/15)

 一時期、自販機ビジネスに関わっていました。各社飲料メーカーはすさまじいほど、自販機の設置に情熱を燃やしています。自販機は確かに利益率がいい小売形態ではあります。しかし条件としてオペレートを自分自身でやらなければなりません。粗利は高くなりますが、人件費や燃料代などを差し引いた営業利益を見ると、さほど高いものにはなりません。加えて、おそらくB社は自販機オペレートを他社に任せているはずです。そうなると、さらに利益率が下がります。 結局流通にはすさまじいコストがかかります。ココをカットする方法を考えねばならないでしょうね。(2009/02/14)

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三品 和広 神戸大学教授