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市場に任せる「ケーレツ2.0」を作れ

愛情喪失とは無縁の光岡自動車(2)

2009年2月16日(月)

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 前回のコラム「『クルマを愛せない』のは誰のせい?」では愛車とモデルチェンジの関係性についてお話しいたしました。嫁の実家から送られてくる見合い話、つまり「姉より器量も芸事も一枚上な妹たちの登場」とは、結果的にクルマを愛さないユーザーを育て上げ、自らを不毛なコストパフォーマンス戦に陥れることになるという話でした。

 読者の方々からいただいたコメントでは、「光岡自動車のデザインは所詮コピーで受け入れ難い」というようなご意見も散見されました。しかし忘れてならないことは、誰にもできなかったビジネスモデルを光岡が独力で開拓した点です。独創的デザインだけなら誰にでも語れますが、型式認定を取って、販路を開拓し、ファンを生み出し、社員を食わせている事実は称賛に値します。


わが道を行く光岡自動車の新型車「卑弥呼」(写真:小久保 松直)

第2第3の光岡が登場しない理由

 あらゆるハイテク商品において技術開発の余地はまだまだあるものの、技術の高度化に伴い、莫大な投資の元を取るための採算性は着実に悪くなっています。それゆえにハイテク分野で存続し続けられる企業の数は、業界を問わず年々少なくなっています。

 自動車もしかりですが、近年のオートショーはメーカーの新技術開発の進捗報告会のようになってしまいました。便利で効率の良いクルマが並んでいるものの、トキメキ指数も入場者数も年々下がっているという嘆き節は各所で耳にします。

 一方で先日開催された「東京オートサロン」に代表されるカスタムカーの展示会はワクワク感に満ち溢れており、子供心いっぱいのマニアたちでますます盛況です。マニア…今風に言えばオタクですね。

 光岡の国内販売の営業課長を務める笠原勝義さんに伺うと、このようなチューンアップカーのイベントは、同好会から専門学校、ワークスから大手自動車純正品メーカーまで様々なレベルのクルマ好きが尖ったクルマを提案するイベントとしてヒートアップしているものの、光岡のように商品化して販売にまで至る企業は相変わらず皆無に近いということです。

 結局、クルマの型式認定に関わる膨大な雑務から、全国への販売網、アフターサービスなどのビジネスのバリューチェーン一式を見渡して壁に当たり、その先に進むのを断念しているのです。自分たちの歩んできた20年間の茨の道を振り返ってみても、第2第3の光岡がおいそれと現れる姿は浮かばないというのが厳しい現実とのことです。クルマが高機能で画一的になるほど、クルマ好きには熱いエネルギーが鬱積してしまうにもかかわらず、高すぎる参入障壁が愛車づくりを育てる芽を摘んでいるというのは残念なことです。

 光岡が現在の事業を始めるに当たって最初にぶつかった大きな壁はエンジン供給元の確保でした。富山の無名中小企業の申し出をまともに取り合う大手自動車メーカー探しは、当初の予想を超えてる難事だったそうです。

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「市場に任せる「ケーレツ2.0」を作れ」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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