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成功を語り、お金を使うのは罪ですか?

サクセスストーリーもまた「巣ごもり」する時代

  • 須田 伸

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2009年2月17日(火)

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 たてこんでいた仕事が少し落ち着き、時間的な余裕がつくれたので、ぼくがコンタクト可能な、この不景気の中で業績好調な会社の方々に「日経ビジネスオンラインのコラムで取り上げたいのでお話を聞かせてくれませんか?」とお願いしたところ異口同音に「お会いするのはよろこんでお受けしますが、記事にするのはちょっとご勘弁ください」という答えがかえってきました。

 「わかりました。では、記事にはしない約束でお話をしましょう」ということで、過日ある方とお会いしました。

 なので、伺った話をここで詳細に公開することはしませんが、特別な何か秘訣や、世の中のトレンドをつかんでいる、というよりは、粛々と自分たちの組織に対するマーケットからのニーズにこたえているだけ、という言葉には説得力がありました。

 また、こういう世の中だから「なんか、うまいことやってやがる」と思われると、外からも、内からも、足元をすくわれかねない、と「サクセスストーリー」として派手に紹介されることを危惧する気持ちも理解できます。

 今週は、そんな「粛々と」の時代の気分について書こうと思います。

「前期の最高益から一転して人員削減」という報道の余波

 犬が人間に噛みついてもニュースにならないが、その逆ならニュースになる、というのは昔から言われることですが、ニュースもまた、ひとつのコンテンツです。客観的な事実の報道であっても、それをどんな文脈で紹介するかによって、ドラマティックに演出することができますし、そこに送り手の意図を感じることも少なくありません。

 たとえば、「前期の最高益から一転して、販売不振に陥り、今回の人員削減の発表となりました」という報道は、もちろん事実を淡々と並べているわけですが、しかし「最高益だったわけだから、その時の利益を使って雇用を守ることはできなかったのか。労働者の生活を安易に考えているのではないか」という批判的な感情をニュースの受け手の中に引き起こすことになるのを、送り手の側は十分にわかってやっていると思います。たとえその裏側には、報道されない企業のさまざまな努力があり、事実として利益を吐き出しながら確保している雇用もかなりの人数存在していたとしても、ヘッドラインになるのは「最高益から一転して人員削減」ということになります。

 すると当事者でなくても、傍で見ていても「下手に最高益でなくて、ほどほどであればよかったのに」とか「昨年の春先の取材の中で、今後の積極的な事業展開を語ったけど、今年こうなるとわかっていれば、言わなかっただろうなあ」といった感情を持ちます。

 翻って自分の会社が現状においては業績好調だからといって、IR上で発表している以上のことを語ってしまうことは、経済の低迷の先行きが読めない中、「最高益から一転、人員削減」というメディアの刃がいつ自分のところに飛んでくるかもわからないリスクを、さらに大きくしかねません。ここは慎重に頭をあまり出さずにおこう、と多くの経営者が判断しているように感じています。

メディアが経済不振をさらに悪化させている?

 本当に、テレビをつけても、新聞をめくっても、目につくのは「減産発表」「下方修正」「雇用の危機」といったニュースばかりです。書店で手にする雑誌の特集にも「節約術」をよく見かけます。先日、立ち読みした某女性雑誌の誌面上で診断されている4人の働く女性の家計簿のすべてが「書籍代ゼロ」となっていて、「これって、お金を払ってこの雑誌を買った人はどんな気分になるのかな?」と思いました。

 こうした中で、マスメディアの時として情緒的な報道は、人々の消費マインドをさらに冷え込ませている、という意見も散見されるようになりました。そうしたニュースは、結局マスメディアの広告収入の減少に拍車がかかり、自分たちのビジネスにも悪影響があるのだから少しは考えてはどうか、という意見には考えさせられます。

コメント10件コメント/レビュー

まさに、「マスコミ不況」と呼ばれる現象ですね。ナガティブな報道(しかも意図的としか言いようがない)が徹底的に行われるため、視聴者に必要以上に脅えてしまい、財布の紐が固くなる。最近のマスメディアは、正直狂ってるとしか言いようがないと思います。(2009/02/18)

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いただいたコメント

まさに、「マスコミ不況」と呼ばれる現象ですね。ナガティブな報道(しかも意図的としか言いようがない)が徹底的に行われるため、視聴者に必要以上に脅えてしまい、財布の紐が固くなる。最近のマスメディアは、正直狂ってるとしか言いようがないと思います。(2009/02/18)

不景気の時こそ、お金持ちは消費してほしいです。景気の良い時の100万円と、景気の悪い時の100万円は、金額が同じでも価値は違ってきます。干天の慈雨です。尊敬されるでしょう(一時的ではありますが・・・)。(2009/02/17)

マスコミが流す報道が悪いサイクルを生み出している・・・なんとなく理解できます。社会全体とかそんな大きな話でなくても、悪いニュースを聞くとなんとなく気分が悪くなったり、自分の身に起こったらどうしようと不安になったり。そんな雰囲気がいっぱい集まると社会全体が悪い空気・・・不景気になってしまうんですね。須田さんがお話しされているように、こんなマイナスな空気で満たされている世界で「成功している」というプラスの空気を発することは有機がいると思います。いじめられっ子をかばう正義のヒーローを演じたばかりに、自分もいじめられてしまう・・・正義(成功)をひけらかしたばかりに周りから妬まれてしまう・・・誰だって嫌ですよね。みんなが正義のヒーロー(成功者)に憧れる、そんな空気をつくり出すのにはどうしたらいいのか、考えさせられました。(2009/02/17)

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