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リチウムイオン電池を“薄型テレビ”にしてはいけない

モノ作りの価値を拡張するビジネスを探せ

  • 宮田 秀明

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2009年2月20日(金)

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 昨年4月頃からの「2次電池によるイノベーションを実現する」という流れは驚くほど強い。こんな経済危機の中にあっても新規に決まっている大型設備投資は電池関係だけと言ってもいいぐらいだ。

 「性能のいいリチウムイオン電池を作るだけで環境・エネルギー問題が大きく進展していく」という考えにも、大きな変化が生じている。電池という要素技術単独での進歩だけでなく、電池を使った新しい社会システムを作ることの重要性に気づいてくれる人が増えたのだ。電池を使った新しい社会システムや新しいビジネスモデルや新しい知財を創造することが大切なのだ。

 それでも、「モノ作り」に徹する日本の製造業の方々の意識改革はなかなか進んでいないようだ。

 製造業の方々にビジネスを社会システムとして考えることの重要性をお話しし続けたいきさつで、「二次電池による社会システム・イノベーション」を推進する片棒をかつぐことになってしまった私は、電池メーカーの人とお話しすることが多い。

 電池メーカーの人が言う。「でも先生、私たちは一番大切な電池の技術で一番先頭にいて、海外メーカーには負けませんから大丈夫ですよ」。

 本当にそうだろうか。

薄型テレビ事業、日本の製造業は激しい競争に巻き込まれる

 薄型テレビの価格低下には驚くばかりだ。DRAMのたどった道をそのままたどっているのだが、このままでは2次電池も同じ道に進む可能性が高いだろう。2次電池メーカー同士が熾烈な技術開発競争を繰り広げつつ、生産性向上活動を必死に進め、激しい価格競争を行い、製品の持つ高い付加価値を減損させてしまうというシナリオである。

 一方では、外資のコンサルティング会社、国内の商社などが環境ビジネスへの取り組みを強化している。リチウムイオン電池や電気自動車のような優れた技術に目をつけ、その価値を倍にして、粗利70%のビジネスで大きな利益を得ようとしているのだ。それ自体は悪いことではない。このような活動によって「社会システムイノベーション」が推進されるからだ。しかし、日本の製造業はこのような勢力とのつき合い方を変えるべきではないだろうか。電池メーカーが、彼らの下請けになってはいけないということだ。

 この中で、もっと小さな苦労で大きな利益を得ようとしているのが、外資系コンサルティング会社である。環境・エネルギービジネスは最も高い成長性が期待できると考えられているからだ。その中でもリチウムイオン電池は宝物のようなものなのだが、いずれコモディティー化して、ビジネスモデルやシステムや知財の価値の方が大きくなると読んでいるのだろう。

コメント16件コメント/レビュー

本筋とは少しずれるがリチウムイオン電池にそこまで入れ込む理由が理解できない。特にまるで万能、魔法の解決法のような持ち上げ方にだ。残念だが過渡的且つ極一部の補助的解法にしかならない。国内ではコレを使って電力の一部ピーク制御や一部の車の動力源とする程度で、残りはもっと公共交通の充実と架線を駅等に減らしたバッテリートラム・バスにし、パワーと航続距離が必要な路線に低公害ディーゼル(バイオ燃料)にするなど、人の生活様式も含め幾らか変えていけば上手くいき、そしてその成功例が適用できる他国への技術だけでない文化的というべき生活スタイルの提案のような形で進めていければ良いなあと思っています。その意味で今の自動車中心過ぎる世界は修正していくべきだと思います。(2009/02/23)

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本筋とは少しずれるがリチウムイオン電池にそこまで入れ込む理由が理解できない。特にまるで万能、魔法の解決法のような持ち上げ方にだ。残念だが過渡的且つ極一部の補助的解法にしかならない。国内ではコレを使って電力の一部ピーク制御や一部の車の動力源とする程度で、残りはもっと公共交通の充実と架線を駅等に減らしたバッテリートラム・バスにし、パワーと航続距離が必要な路線に低公害ディーゼル(バイオ燃料)にするなど、人の生活様式も含め幾らか変えていけば上手くいき、そしてその成功例が適用できる他国への技術だけでない文化的というべき生活スタイルの提案のような形で進めていければ良いなあと思っています。その意味で今の自動車中心過ぎる世界は修正していくべきだと思います。(2009/02/23)

部分最適化は、モジュール化によって進められ製造のし易さ、低価格化、高品質化の道に進み、先行する企業と追う企業との差は、どんどんと小さくなっていく。もっとも、1社などで独占できる部分最適化なら問題はないが、電機電子部品のメモリー、液晶パネル、2次電池は、製造できるメーカがたくさん居る。よって激戦になり、体力戦になっていく。激戦の最中に、国内だけでも、手を取り合えば良いが、それも企業論理で出来ずに、消耗し、勝敗がついたところで国内での合従連衡が始まる。提唱されているシステム化は、全体最適化のことでもあると思う。統合化されたシステム、モジュールを組み上げて、システムとして付加価値のあるものにしていく、モジュール製品とインテグレート製品とに垣根があるように言われているが、モジュール化でもインテグレート化でも、システムとして、一つのまとまった特別なものを有すればよい。いわゆる物を繋げて、個人、企業、地方自治体、国へ付加価値をサービスするシステムで優位に立てればいいのだと思う。本当の意味での異種間企業連合、産学官の連携が行われ、富の分配が行われることで発展が出来る仕組みが欲しいと思う。利益を追求する企業では、その利害は合わないだろうし、利権を求める官でも、利害は合わないだろう、ここは、学が、緩衝材にもなり、ビジネスとしてのシステム化(最適な富分配を含めて)を行うことが期待されているのでは、明治の富国強兵が国のビジョンで始まり、学のシステム化で進み、企業で実現したように、産学官の役割に大きく期待したい(2009/02/23)

外資系企業と組むなと言われても、外資系企業の提案がベストならそれを受けるのが最も良い意思決定ではないですか?外資系企業と組むなと言うならば、日本の商社やコンサルティング会社、そして製造業自身が販路拡大の提案や知的財産の保護等を行えばいいだけです。それができる企業が日本にいないから、外資系に頼らざるを得ないのです。自由競争の中、最も良いパートナーを探して組むことが求められ、そのパートナー候補に日本企業がいない、ただそれだけのことです。(2009/02/23)

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