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卒業論文を指導する醍醐味

民間企業の経営を分析して巣立つ学生たち

  • 宮田 秀明

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2009年3月6日(金)

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 毎年恒例のことだが、1月の後半から約1カ月間は休日出勤が続く。修士論文や卒業論文の提出期限が迫ってくると、研究室の学生たちは猛スパートをかけるが、結局提出するのは期限の直前になり、その次は発表会の準備がある。

 この時期、教員は論文の書き方や発表の仕方を指導する。月曜日に発表だとすると、金曜日までにすべて終わっていればいいのだが、そんなことができるのは10人に1人ぐらいで、直前の土曜日や日曜日にも指導しなければならない。特に卒業論文を書く4年生は、人生で初めてのことだから大変だ。

 今年3月に私の研究室から卒業していくのは修士課程の7人と4年生の10人だ。私のほかに准教授が3人いる大所帯だからなのだが、それだけではない。人気の研究室なのだ。教員が学生を選ぶ仕組みにはなっていない。学生が教員を選ぶことになっているから、こうなってしまう。

 全部で30人近い学生たちは4つのグループに分かれて研究に励む。国際輸送システム、小売流通システム、企業経営システム、そして社会システムのグループである。守備範囲は大変広い。

民間企業の経営をテーマとした卒業論文

 経営システム工学と社会システム工学という新しい学問分野を開拓しようとしてもう8年がたった。ほとんどすべての研究プロジェクトが民間企業のビジネスを対象としている。国際輸送システムは海運会社と電力や製鉄関係の荷主のビジネス、小売流通システムは書籍と通販のビジネス、企業経営システムはエレクトロニクスメーカーや総合スーパーや飲料メーカーのビジネス、社会システムは2次電池を使った大小様々な社会システムを創造するビジネスといった具合だ。

 10人の4年生の卒業論文のタイトルはこのようになった。

 「国際コンテナ輸送のネットワーク設定とハブ港の選定」
 「飲料商材の最適流通モデルの研究」
 「飲料自動販売機の販売予測法の研究」
 「飲料自動販売機のための最適展示システムの構築」
 「販売解析による最適商材選定法」
 「電気自動車の特性に合わせた充電設備の最適配置の研究」
 「東京大学への二次電池導入を行う場合の最適な電池容量・配置決定モデルの研究」
 「二次電池を用いた住宅エネルギー管理モデルの研究」
 「海外製造拠点に対する資材スケジュールのリスクを考慮した輸送最適化」
 「地方自治体における総務業務の負荷評価に基づく合理的な人員配置」

 10年前までの卒業論文のテーマは船舶工学や海洋工学、流体力学の分野のものだけだったので、大した変わりようだ。

コメント3件コメント/レビュー

学部生に期待できることには限界があると思います。学部生は、学業や就職活動のみならず、学生時代にしか出来ない様々なことを、たった4年間でこなして『オトナの社会人』に脱皮しなければならないからです(勿論、卒業旅行もそのひとつです)。この問題の背景には、日本で院卒が学部卒と比較して企業から努力に見合う評価を受けにくく、また院卒を採用しても企業が十分使いこなせない実情があります。そうした意味で学生のみならず、企業、大学の三者それぞれが根深い問題を抱えていると思います。(2009/03/09)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

学部生に期待できることには限界があると思います。学部生は、学業や就職活動のみならず、学生時代にしか出来ない様々なことを、たった4年間でこなして『オトナの社会人』に脱皮しなければならないからです(勿論、卒業旅行もそのひとつです)。この問題の背景には、日本で院卒が学部卒と比較して企業から努力に見合う評価を受けにくく、また院卒を採用しても企業が十分使いこなせない実情があります。そうした意味で学生のみならず、企業、大学の三者それぞれが根深い問題を抱えていると思います。(2009/03/09)

「地方自治体における総務業務の負荷評価に基づく合理的な人員配置」の結果、事務職員は大幅に削減してよいとのこと。ありえますね。途中の計算がわかりませんので正確性に欠けるかもしれませんが自治体は現在、どのように配置しているのかはぜひ公表していただきたい。同じことは病院の看護士の配置もかなり難しいようです。条件が毎日変わること、労働条件が規程があることを考慮することのようです。3次産業の生産性をあげることは喫緊の課題だと思っています。それが経済不況を乗り切る切り札に感じている今日この頃です。研究室のテーマに期待しています。出来れば公開を!(2009/03/06)

”未来は若者と婦人のものである”と言う しかし人間は、育つ環境次第で、進化・生育の度合いに格段の差が生じますが、日本では人財を育てる国家戦略、仕組み、社会風土が貧困だと感じて来ました。 教授の連載記事をいつも拝見していて、最高学府における教授の未来を育てる熱い思いとご労苦に 暗夜の一灯! の光明を見出しました。 余人に代えがたい教授のご健康をひたすらお祈りします。(2009/03/06)

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