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【軽薄短小化の衝撃】ナウなヒット商品の条件は

省「資源・エネルギー・スペース」

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2009年3月17日(火)

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日経ビジネスが生んだ時代のキーワード「軽薄短小」。
ヒット商品から産業構造の変化まで新しい時代を一言で表した。
1980年代初頭の大変化から、時代の断絶に直面する今を生き抜く知恵を読み解く。

* * *

1982年2月8日号より

商品をより軽く、薄く、(丈を)短く、そして小さく――。軽・薄・短・小化の大きなうねりが今、日本の産業界に広がっている。
それは、資源、エネルギー、土地の価格が高騰する中で、加工国・日本の生きる方向をはっきりと差し示している。このうねりは産業構造を変え、物流の方向まで変えてしまうであろう。
軽・薄・短・小化を支えるのは技術革新と商品開発、知恵と工夫である。大手から中小、零細企業に至るまで、軽・薄・短・小化の衝撃に耐えられない企業はこの大波の下に、沈んで行くしかない。

(井本 省吾、秋山 豊、佐藤 環)

「重厚長大」商品はもはやナウじゃない。
省資源、省エネルギー、省スペースの「スリーS(セーブ)」が不可欠となる中で、商品の軽薄短小化は必至の課題だ。また、そういう商品がヒットしている。
今後、ますますそうなるだろう。

工場まで小さくなる!?勝者と敗者くっきり

 1992年2月8日――。大手化学メーカーS社の松本浩太郎社長は顔面を紅潮させて、本社の社員に語りかけていた。場所はS社の大講堂である。

 「ついに、バイオテクノロジー(生命工学)を使った石油化学の原型プラントを完成させることができました。これなら化学プラントを従来の5分の1、いや10分の1にできると思われます。常温常圧で済むし、従来の高温高圧のプラントに比べ省エネルギー効果は測り知れません……」。

 講堂内に破れんばかりの拍手が起こった。S社はすでに各種電子材料をはじめ、バイオテクノロジーによる制ガン剤や内臓薬、殺虫剤、高収穫品種の種子を商品化、同社の収益源になっている。ファイン(精密)化学化、バイオテクノロジー化が進み、付加価値が高まっているので、商品の種類は多いが、生産トン数ベースでは10年前の3分の1に減っていた。

 中央研究所はICメーカーのK社と共同開発している「バイオコンピューター」(生命類似電算機)の研究がうまく行っていると伝えている。神経細胞生理学と遺伝子工学、半導体技術を結びつけた画期的な技術で、完成すれば、それまでのIC(集積回路)、電算機の性能を大幅に上回るものができ上がると見られていた。

 講堂を出る時、松本社長の胸には熱いものがこみ上げた。石油化学不況の真っただ中で大赤字を出した10年前を思い出したからだ。「あの時、必死で技術開発を進めたのがよかった」。社長は大きくうなずいた。

 同じ日、鉄鋼メーカー、D社では役員会が開かれていた。居並ぶ役員は全員、みけんにしわを寄せている。3月の決算が赤字になるのは確実で、次期以降も見通しは暗いからだ。

 「韓国などがこんなに早く高付加価値品を量産できるようになるとは思わなかった。ICの高集積化も思ったより急ピッチ。これにバイオプラントが加わる。工場は小さくなるばかりで鉄の需要は先細りだ。大型素材や自動車の新工場はどんどん海外に行ってしまうし、素材の鉄からアルミニウム、プラスチックへの転換が進んでいる。10年前とは大違いだ。一体どうしたらいいんだ」。

 社長は吐き捨てるようにこう言って、机をどんと叩いた――。

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