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【軽薄短小化の衝撃】向こう10年の3%台成長の中で

素材離れが産業再編成を促す

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2009年3月19日(木)

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日経ビジネスが生んだ時代のキーワード「軽薄短小」。
ヒット商品から産業構造の変化まで新しい時代を一言で表した。
1980年代初頭の大変化から、時代の断絶に直面する今を生き抜く知恵を読み解く。

* * *

1982年2月8日号より

マクロ計量モデルと産業連関分析システムで予測すると、昭和66年度までの実質経済成長率は平均3%台という厳しさ。

低成長経済下、省エネや組立加工産業を中心に軽薄短小化が進み、日本全体で素材離れが鮮明になる。

構造不況業種の再編成や整理淘汰が進み、成長分野のエレクトロニクスでも企業間格差が広がる。軽薄短小化の衝撃波は産業構造の転換を加速する。

目方で男が売れるなら… 「素材産業はつらいよ」

 昭和66年暮れ。「男はつらいよ」の主題歌がサラリーマンたちの間でリバイバルし、静かなブームを呼んでいた。この歌は渥美清主演の映画「男はつらいよ」シリーズのテーマソング。映画の方は好評のうちに制作が昭和60年に終わったが、この歌だけはその後も一部の層に愛唱され、特に、昭和63年頃からは、酔うとこれを歌う定年まぎわのサラリーマンの姿が目立っていた。

 この年老いたサラリーマンたちには、なぜかある一つの傾向があった。「…目方で男が売れるなら、こんな苦労は、こんな苦労は、かけまいに、かけまいに」で終わる「男はつらいよ」の2番を歌うと、あとは涙でのどをつまらせ、もう3番を歌えない。実は、こういった老紳士たちには、共通点があった。勤務先が、日本の高度成長期を支えた大手素材メーカーやそれに関連した大手運輸会社、大商社の素材取り扱い部門という点だ。

 「男はつらいよ」の2番の歌詞はこうだ。「どぶに落ちても根のあるやつはいつか蓮の花と咲く。意地を張っても心の中じゃ、泣いているんだ兄さんは…」ときて、くだんの「目方で…」に続く。気はいい寅さんだが、思い込みの激しさから事件を起こす。妹のさくらをはじめとする家族の助けで、事件はなんとか解決。そのあと、寅さんは「男の価値が目方、すなわち、体格や格幅のよさだけで決まるのなら、こんないいことはないのだが…」とわが身の至らなさを嘆くのである。そんな寅さんの心情が2番には込められている。

 この寅さんの悩みは、実は昭和50年代半ばから始まった素材産業、素材関連産業の悩みでもあった。重量やかさの張る素材が好調だった時代も確かにあった。しかし、時は流れ、最終商品で軽薄短小化が進んだ。このため、量や重さでかせいでいた素材産業とその関連企業は、需要減退と海外からの低価格の素材の流入で、整理淘汰の方向に進まざるを得なかったのだ。

 このような産業に身を置いたサラリーマンとしては、「目方で男が売れるなら…」のくだりで、我が身と、自らの青春時代を賭けてきた素材産業の不幸を思い、つい身につまされてしまうのである。もちろん、素材産業がすべて、なくなってしまったのではない。ファイン化、高付加価値化商品への転換を進めた素材メーカーは、「蓮の花と咲く」とあるように今もなお隆盛を誇っている。

構造不況業種、国際協調… 現在の低成長が今後も持続

 昭和66年度の日本経済の姿として、この話は決して起こり得ないものではない。日本経済新聞社の開発したNEEDS-TS/IIのマクロ計量モデルを使って本誌が試算したところによると、次のような日本経済のマクロの姿が浮かび上がってきたからだ。

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