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教育改革で「知識社会」へ転換

スウェーデンの生涯学習(後編)

  • 若井 浩子

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2009年4月3日(金)

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 好不況に関係なく、財政によって教育を始め医療、介護などの公的サービスを充実させ、1990年代には教育分野、ITインフラ、環境対策への投資で、景気までも回復させたスウェーデン。政策が成功した理由はどこにあるのだろう?

“自然村”と税制が成功のカギ

 神野直彦教授(東京大学経済学部・大学院経済研究科教授)は「“自然村”の存在によるところが大きい」と言う。

 「“自然村”とは、長い歴史の中で育まれた、人のつながりや文化を中心とした共同体としての地域を指します。一方、現代社会には“行政村”というものがある。これは中央政府が政治を行う上で便宜的に区画した地域です。日本は自然村を無視して行政村を布いてしまった。

 スウェーデンでは歴史的に自然村を大切にしてきた。その基盤の上に現在の地方自治体があり、行政上も機能しているのです」(神野教授)。

 また、その地方行政を支える税制も成功の要因だ。

 先日、来日してスウェーデンの生涯学習政策について講演したモハメッド・チャイブ教授(ヨンショーピン大学教授/スウェーデン全国生涯学習センター(ENCELL所長)は、「スウェーデンでは自分の住む地方自治体に納税します。所得に比例して税額は決まり、税額が増えればそのうちの一定割合が自治体から国に徴収されるのです」と言う。

“支えられることで支える”地方自治の社会

 「ですから所得によって、納めた税がすべて地方自治に活用される人もあれば、納めたうちの何%かが自治体を経て国に徴収される人もいます。もちろん、自分の税金が地域と国にどう配分されているかは誰でも知っています。いずれにしても、私たちは税金を“国に納める”という感覚はなく、“自治体に納めて地域社会を支える”という感覚でいるのです」(チャイブ教授)。

 この感覚はサービスを受ける側にも、提供する側にも好影響をもたらす。

 例えば職業教育を受けるにしても、訪問介護を受けるにしても、自分が受けるサービスを支える社会のシステム(この場合は税制)に、自分が完全に参加している実感があることは重要だ。その実感あればこそ、人はさまざまな状況下で主体性を持つことができるのだから。

 また、教育や医療、福祉が公的サービスである社会は“支えられる(サービスを受ける)ことで支える(雇用を創出する)”という形にある。地域での人的つながりと、質の高いサービスは切り離せないだろう。

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