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日本の中小企業力に改めて感服

ライフボートメーカーの工場に日本再生のヒントあり

  • 宮田 秀明

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2009年4月10日(金)

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 「こんにちは」。社員たちが作業帽を取って、礼儀正しく私に挨拶してくれる。大阪郊外の救命艇メーカーを訪れた時のことだ。

 最近、極端に潮気の抜けてきた私は、救命艇関係の小規模の仕事を引き受けることにした。どんなに小さな仕事でも、現場と現物を見ないで引き受けることはできない。だから、学生たちを社会へ送り出しつつ新年度の準備をする3月に時間を見つけて、その救命艇メーカーを訪れたのだ。

 年商は15億円ほどで、設計が10人弱、製造が三十数人という小さな企業である。たった60分間、工場と製品を見学しているうちに、10人ぐらいの現場の方と挨拶した。下を向いて作業していて、工具を使っている人には余裕はないのだが、そういう状態でなかったら、すべての人たちと初見参の私は丁寧な挨拶を交わしたことだろう。こんな工場に出会ったのは初めてだ。

素晴らしい笑顔、素晴らしい現場力

 彼らの作った製品の品質は世界一と言えるのではないか。製品を見なくても、彼らの笑顔と現場を見ればそれが分かる。

 救命艇はガラス繊維を成形・接着して作る。そのため工場の環境はガラス繊維が飛び散ったりして良くない例も多いのだが、ここは全体が整然としていて複合材料を扱う工場とは思えないくらいだ。日本の現場力の強さの典型を見た思いだった。もちろん素晴らしい現場力は、素晴らしい経営者と素晴らしい社員のハーモニーが作り出すものだ。

 救命艇は地味な製品だ。造船会社や船主にとっては、それほど高くない購入品だ。しかし乗員や旅客にとっては、万一の時に命を救う重要な装備だ。

 大ヒットした映画「タイタニック」を観られた方も多いだろう。私も、公開から2年ぐらいたってDVDで観てみた。中学生の時、筑摩書房から出版されたシリーズ本に『世界ノンフィクション全集』というのがあって、毎月配達されるのを楽しみにしていた。その中にあった物語の1つが「タイタニックの号の最期」だった。漠然としたものだったが造船技術者を1つの目標にし始めていた頃だったので、今でもタイタニックの物語は鮮明に覚えている。恋愛物語を除けば、映画のストーリーもノンフィクション全集そのものだった。

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田中 孝雄 三井造船社長