「Web2.0(笑)の広告学」

雨の日のアリは、何をしているのか?

ブログの「生態系」を理解するということ

バックナンバー

2009年4月21日(火)

1/3ページ

印刷ページ

 ブログやSNSなどで、一般の生活者がネット上で情報発信することは、今やすっかり当たり前のことです。そうした変化が、企業の広告コミュニケーションにも、影響を与えるようになってきているのも、ご存知のとおりです。

 このコラムでも、何度か取り上げてきましたが、従来は存在しなかったマーケティング手法が、ネット上で情報発信する生活者の台頭によって誕生しました。新たな環境で成功するための作法というのは、従来のマーケティングの手法とは、必ずしも同じではありません。いわゆるパラダイムの転換が必要になってきます。今回は、あらためて、このパラダイムの転換について、お話したいと思います。

単なる流行ではなく、パラダイムの転換

これまでの広告の仕組みは「to C」、Consumer、生活者に向かって、広告メッセージを発信する。受け手である生活者に向けてメッセージを伝達する、というものです。

 これにたいして、ソーシャルメディアにおけるマーケティングは、従来の「to C」ではなくて、「with C」になります。言い換えればメッセージを広めたりだったり、ブランドの強化だったり、さまざまなマーケティングプロセスに、生活者を巻き込む、ということです。

 これは、単なる流行とか、一過性のものではなくて、これまでの広告手法とは明らかに異なる「パラダイムシフト」です。

 これまでの広告が、舞台があって、広告主が雇ったプロの役者がいて、生活者は、客席の観客のようなもので、観客の皆さんは黙って鑑賞していてください、気に入ったらお帰りに我が社の商品を買っていってください、という形式だったのが、生活者の方々に舞台にあがってもらって、いっしょに我が社の商品を展開するパーティを盛り上げましょう、というような話です。

 とはいっても、あくまでも、企業の側にはマーケティングプロセスにおける、ゴールがあるわけですから、その目的にそったカタチで、生活者を巻き込まなければならない。当たり前のことですが、生活者を巻き込む、というと、巻き込むことだけで満足してしまって、肝心の、マーケティングゴールが、どっかにいってしまうケースも、ないわけではありません。

 ただ、現時点ではむしろ逆に、企業側のマーケティングゴールへの意識が強すぎて、舞台にあがった生活者たちが「俺たちを勝手に利用するんじゃない」といって、文句を言い始める。ノイズが大きくなって、せっかくのソーシャルメディアキャンペーンがうまく機能しない、そんなケースも、あるように思います。

 企業のマーケティング担当者の方々が、生活者が情報発信するモチベーションによりそったカタチで、自分たちのマーケティングを展開する上で大切なことはなにか、きちんと理解しておく必要があります。

雨の日のアリは何をしているか?

 読者の皆さまは、アリって雨の日、どうしていると思いますか?

 真面目な方からは、「くだらないこと聞くんじゃない」と叱られるかもしれませんが、この「雨の日にアリは何をしていると思いますか?」という投げかけに対して、5000ものブログ記事が、アメーバブログで書かれています。

※リンクはこちら

 それらのブログ記事をひとつひとつ読んでいくと、だんだんわかることがあります。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。


>>次ページブログは自分語り

関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント0件受付中
トラックバック
著者プロフィール

スダシン(須田 伸 すだ・しん)

須田 伸

サイバーエージェント ネットトレンド研究室長/コミュニケーションディレクター。1992年株式会社博報堂入社。CMプランナー/コピーライターとして「ACC賞」「日経広告賞」「消費者のためになった広告コンクール」などの広告賞を受賞。 1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブ・コンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年にYahoo! Japanに転じてコミュニティサービス担当プロデューサーとして「ヤフー・チャット」を立ちあげ「ライブチャットイベント」では初代「Y! Chat MC」として活躍。2002年より株式会社サイバーエージェントに勤務。同社の企業ブランドを一新する。現在は同社ネットトレンド研究室長。ブログとインターネット広告に関する著書として『時代はブログる!』(アメーバブックス)がある 。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。



このコラムについて

Web2.0(笑)の広告学

ブログやSNSのように、普通の人がインターネットで気軽に情報を発信するようになったことが「Web2.0」という流行語(バズワード)を生みました。Web2.0の切り口には、技術も、商売も、哲学もありますが、このコラムでは、基本的に「広告」という視点で考えていきます。筆者はテレビ広告業界を経験後、サイバーエージェントに転じ、ネット広告の世界で活躍している須田 伸氏です。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内