• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

【7】「ミドルマネジャーの悩みは編集長の悩み」と強引に考える

2009年4月30日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「今はこれとこれをすべき時だ、というメッセージをはっきり打ち出してもらえませんか」。

 今年1月から「日経コンピュータ」という雑誌の編集長を務めているが、就任直後からこう頼まれた。規模はともかく、雑誌は1つの事業体であり、事業責任者や営業担当者が存在する。上記の要請は営業担当者からのものである。旗幟鮮明な雑誌にしてくれないと、販売するにも、広告を頂戴するにも、営業担当者としてやりにくい、というわけだ。なるほど、と思ったので読者向けのメッセージを年初からずっと考えているが、これが非常に難しく、いまだに「今はこれとこれをすべき時」と言い切れていない。

 なぜ難しいのか。日経コンピュータの中核読者である、企業の情報システム責任者のことを考えると、メッセージなど、おいそれと出せるものではないからだ。昨今の経済情勢にあって、企業のミドルマネジャーは皆、大変苦労しておられるだろう。その中でも、情報システム責任者が背負っている任務は極めて重い。

 列挙してみよう。情報システム責任者は今、経営トップから「IT(情報技術)のコストを下げよ」という厳命を受けている。コスト削減はあらゆるマネジャーが取り組んでいるが、直接お金を稼がないのにお金がかかると言われる情報システムへの風当たりはとりわけ厳しい。そのうえ、システム責任者は「失敗してはならない」と言い渡されている。「情報システムを止めてはいけない」「情報を漏洩できないようにしてほしい」「システム開発プロジェクトは期限通りに進めよ」「内部統制への対処を怠るな」「環境問題対策も忘れずに」といった具合である。

 コストを下げつつ、大事なシステムを怠りなく守らなければいけない。これだけでも相当無理がある仕事だが、情報システム責任者への要請はもっとある。なんとかシステムを完成させ、止めずに動かしていたとしても、「もっと使いやすいシステムにしてほしい」「システムの効果が出ているのかどうか検証せよ」などと言われてしまう。また、「ITを使った新しいビジネスの提案を」「新事業を始めるので新しい情報システムを直ちに用意せよ」といった、前向きではあるものの、極めて難しいお題が降ってくる。

 一方、ミドルマネジャーである情報システム責任者にとって、部下の育成も重大な任務だ。ところが、部下たちは「この部門にいても将来が見えないので異動させてください」「体調がすぐれません」「気分が悪いです」などと言ってくる。

「べき論」が嫌いになった訳

 こういう状況でもなんとか奮闘している情報システム責任者、すなわち、わが読者に対し、「今はこれとこれをすべき時」という「メッセージをはっきり打ち出」すことは至難の業である。何をすべきかを見極めること自体、難しいし、仮にすべきことを整理できたとしても、そうした「べき論」を誌面に掲載することに対し、どうにも抵抗感がある。ちなみに「べき論」が気に入らなくなったのは、編集長になってからである。記者あるいは編集委員であった時は、「何々せよ」「こうすべき」といった題名をつけた原稿を平気で書いていた。

 「べき論嫌い」になった理由は、はっきりしている。自分自身が編集長というミドルマネジャーになったので、規模と深刻度合いの違いはあれど、読者である情報システム責任者と相似形の悩みを抱えるようになったからだ。

コメント1件コメント/レビュー

上の人は大変ですね。記事に出てくるような困り者の部下です。解らないことは聞くようにと助言をもらいましたが、解らないところが解らない情けない状況です。逃げ場所が欲しい為に移動や体調不良になります。一歩づつ進む大切さは知っているだけで、行動に移せません。できる人に頼れば済むと言い訳を並べ続けます。きりがないので、地味な提案を自信を持って押し続けてください。その一押しを待っていると思います。(2009/05/01)

「Powered by 日経コンピュータ 経営の情識」のバックナンバー

一覧

「【7】「ミドルマネジャーの悩みは編集長の悩み」と強引に考える」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

上の人は大変ですね。記事に出てくるような困り者の部下です。解らないことは聞くようにと助言をもらいましたが、解らないところが解らない情けない状況です。逃げ場所が欲しい為に移動や体調不良になります。一歩づつ進む大切さは知っているだけで、行動に移せません。できる人に頼れば済むと言い訳を並べ続けます。きりがないので、地味な提案を自信を持って押し続けてください。その一押しを待っていると思います。(2009/05/01)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授