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日本お得意の美しく舞う車を作ろう

力に基づいた美しさを披露するD1グランプリ(1)

2009年5月18日(月)

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 今回は「ドリフターズ」のお話です。といっても8時に全員集合するドリフじゃないですよ、なんてベタな入り方ですみません。

 昨シーズンは7戦とエキシビションで計10万人近い観客を動員するほど人気のある自動車のドリフト走行の祭典「D1グランプリ」をご存じですか。観客には女性や家族連れもいます。

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 カーブの入口で急減速・急ハンドルによって意図的に後輪からグリップを失わせ、スリップ状態で車両を横向きに走行させながらコーナーを抜ける走法を「ドリフト」と呼びます。ステアリングは進行方向とは逆に固定されたまま(「カウンターを当てる」と言います)、後輪を激しく空転させ、轟音を立てておびただしい白煙を巻き上げながら審査コーナーを駆け抜ける「ドリフト競技」の最高峰が「D1グランプリ」です。

 D1グランプリは新感覚のモータースポーツであり、そのドリフトのコントロールで「進入速度」「角度」「ライン取り」「迫力(タイヤスモーク、エンジン音を含む)」を競い合います。

 実はこのD1、あまり知られていないのですが、世界に売り出し中の「日本発の自動車カルチャー」なのです。モノづくり分野では、世界に誇る数多の銘車を生み出してきた日本の自動車産業界ですが、コトづくりとなると、いまだオリジナルな提案ができていないように思います。そんな中で待望の“J-POP”なオートスポーツが胎動期を迎えています。

 今回は世界に広がりつつあるこのD1競技の企画運営者であり主催元であるD1コーポレーションの市川賢二氏にお話を伺いながら、悩み多き自動車業界の将来を考えたいと思います。

D1グランプリの起源は、峠道のドリフター

 まず始めに、この競技の歴史を簡単に紹介しましょう。その発祥は日本各地の「走り屋」たちにさかのぼります。田舎の山道には峠族やローリング族、都会では首都高などにルーレット族、サーキット族などと呼ばれる“種族”がすみ分けていました。迷惑暴走すること自体を目的とする暴走族とは一線を画する、アスリート系列の人たちです。

 そのような土壌があったうえで、土屋圭市さんというサーキット出身のプロレーサーを求心力にして、単に速さだけでなく、カースタントの技能も表現する場としてまとまってきたのがD1グランプリ(通称D1GP)です。正式名称は「全日本プロドリフト選手権」と言います。土屋氏は通常のレースでもコーナリングのテクニックとしてドリフトを多用することで知られていた方ですが、これ自体が目的化され集客イベントとなっていったのは日本独自の現象でした。

 競技の内容ですが、サーキットの一部分のコーナーを審査コーナーとし、そのコーナーに突っ込むスピードや進入角度の鋭さ、途切れることのない排気音、タイヤが巻き上げた白煙の派手さなどが評価対象となります。また、審査員が指定した「走行ライン」をトレースすることが重要視されており、いかに前出の審査基準を満たしつつラインを完璧にトレースするのかが、ドライバーのテクニックの見せどころです。

 言わば芸術点で評価されるため、項目別の成績表というよりは、要するにどれだけカッチョよかったか、インパクトあったか、が何より大事です。

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 上位16位まで進出すると、2台で走る「追走」ステージの競技です。先行と後続を入れ替えて2回走りますが、ここでは後続車はどれだけピッタリ吸い付くように走れるか、そして先行車は逆に引き離せるかの視点も加わって採点されます。観る側にとってその競い合う様は、まるでシンクロナイズドスイミングのように美しく迫力のある「協働の演技」です。

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「川口盛之助の「ニッポン的ものづくりの起源」」のバックナンバー

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「日本お得意の美しく舞う車を作ろう」の著者

川口 盛之助

川口 盛之助(かわぐち・もりのすけ)

盛之助 代表取締役社長

戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにてアソシエート・ディレクターを務めたのちに株式会社盛之助を設立。研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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