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「引きこもり」日本のからくりを暴く

変わる競争ルールに置いてけぼり

  • クロサカ タツヤ

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2009年5月28日(木)

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 通信キャリア各社の2009年3月期決算が出揃いつつある。それらを並べて眺めてみると、同じ産業で似たようなビジネスモデルなのに、そう簡単には横並びの比較ができないことがまず分かる。表現方法や費目の違いというレベルから、取り扱う事業や財務事情の有無など、要因は様々だ。

 あれこれ考えて項目を揃え、数字を比較してみると、改めて各社ばらついていることに気がつく。これは単純に業績の良し悪しというだけでなく、それぞれのキャリアが抱える強みや弱み、また将来へ向けた方向性が、それぞれ異なる、ということの裏返しでもある。

 そんな訳で、それぞれの通信キャリアの動向については次回から詳しく分析しようと思うが、同じ国で同じ産業基盤によって立つ企業同士でもそうなのだから、これが海外の通信キャリアと比較すると、両者はまるで別物のように見えてくる。それでも最終的に提供されるのは同じサービスなのだから、ケータイ産業とは、かくも面白いものだ。

インフラ投資をコンテンツで回収

 それにしても、日本と世界のケータイ産業は、どこがどう違うのか。それにはまず、ケータイ産業の基本的な構造を知らなければならない。

 大前提としてケータイ産業は、基地局、バックボーン・ネットワーク、そしてオペレーション機能といった事業インフラがなければ、話が始まらない。これらは、基本的に通信キャリアが敷設していく。この構図は洋の東西を問わず同じである。

 これらのインフラ設備は、当たり前だが、そう簡単に構築できるものではない。基地局は場所によっては自立鉄塔を建てなければならないし、そこにバックボーン回線を引き込まなければならない。通信キャリアの投資負担は相当大きなものとなる。

 この基地局敷設の費用を、日本では通信キャリアが賄ってきた。しかし、これは巨大なファイナンスが必要である。特に全国津々浦々へのサービス提供となると、億の単位では話は済まない。

 実際、日本でもボーダフォンを買収したソフトバンクモバイルが、そのファイナンスの重さに耐えられず、買収後のインフラ投資が事実上停滞している。ボーダフォン買収をリードし、その後のファイナンスの面倒を見ているみずほコーポレート銀行が、2000億円を超える融資枠の設定や度重なるリファイナンスなどで強力に支援してもなお、至難の業なのだ。

 また、ケータイ産業は、当然だがインフラだけでは成立しない。インフラを利用するための端末や、その端末を窓口にやり取りされるアプリケーション、またそれを加速するためのコンテンツなども、ビジネスの要諦である。

 インフラは息が長くまた重い資産であり、いわば「賃借対照表」の話だが、いざ打ってしまえば、それが陳腐化するまでの間、こうした上位層が目の前のビジネス、つまり「損益計算書」の中心となる。ここでどれだけ効率的に商売できるかが、インフラの価値を決め、さらなる経営オプションの多様化を生み出せるか否かを決めていく。逆にここで失敗すると、技術転換期や経済環境の厳しい時期に、次世代に向けた設備投資ができず、大抵はふるい落とされ、消えてなくなる。

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