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「今日は、CMの撮影に来ています~」

ブログで先行公開するという新戦略

  • 須田 伸

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2009年5月26日(火)

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 一時期、テレビCMの関係者が、新しいCMの撮影風景などをオンエア開始前にブログやSNSに書いてしまい「情報漏えいだ」と騒ぎになったという話を、何人ものCM業界の知人から聞いたことがありました。そうした経験をふまえて今では、撮影に携わるあらゆる関係者に、情報管理の徹底、とりわけ撮影に関する一切のことをブログやSNSへ書き込みしないように指示するようになったのだとか。もちろんこうした緘口令は以前からあったのですが、同じ「つい、うっかり」の影響でも、居酒屋での友人との飲みの席でしゃべってしまうのと、ネット上で記録に残ることになってしまうのでは、まったくレベルが違います。

 意図しない形で、このタレントがあの商品のCMに出る、そしてこんな撮影セットだ、といったことが、テレビCMの放送開始前にネット上から広まってしまうことは、さまざまな関係者に影響を及ぼす可能性があり、避けたいと考えるのは当然のことです。

 しかし、アイデアというのは、そうした「こうであらねば」という発想を逆転させることで生まれることが多いのもまた事実であり、今回紹介するケースも、そうした発想の逆転から誕生したもののように私には見えます。

 ファーストフードチェーンの、モスバーガーとミスタードーナツのコラボレーション企画「MOSDO!」の新商品「ドーナツバーガー」のキャンペーン展開です。

「招待状が届いた!」

 今回、この新商品の広告キャラクターに起用されたのは、アメーバブログの著名人ブロガーの中でも絶大な人気を誇る、元「モーニング娘。」のメンバー、辻希美さんと矢口真里さんです。

 そして、CMの撮影セットが、この新商品を提供する「店舗」という設定で、二人のブログには、「招待状が届きました!」という記事や、撮影当日は「MOSDO!に来店!」といった記事が、CMの撮影前や撮影の当日に公開されているのです(リンクはこちらこちら)。

 これは、従来の「情報解禁日まではブログに何も書かないでください」といった慣例の逆手をとった、「ブログに書くことが、CMオンエア前の盛り上がりにつながる。すなわちティザー広告になる」という発想です。非常にうまいやり方だなと思いました。

 完成したCMも、撮影スタジオに特設された店舗に、「来店」した二人が「店内」でブログ用の写真を撮影したり、新商品を食べてみたりといった様子を、ドキュメンタリー的に撮影して編集したものです。

 メイキング含めてオフィシャルサイトで閲覧可能です(こちら)。

 また彼女たちがブログの中で、CM撮影の際の実際の商品や、食べ終わって空になった箱などをケータイ写真で撮影して掲載することで、二人のタレントのブログ読者や、キャンペーンページ閲覧者に、「自分もドーナツバーガーを食べて、こういうブログ記事を書いたら楽しそうだな」という「お手本」としての役割も果たしたのではないかと思います。

 事実、ドーナツバーガー発売開始後に、アメーバブログで、一般ブロガーに「新商品『ドーナツバーガー』甘い、しょっぱい、どっちが食べたい?」というネタフリをしたところ、多くのブロガーが、辻さんや矢口さん同様に、店舗や商品の写真をふんだんに使ったブログ記事を多数あげてくれるという好サイクルを生み出すことにも成功しています(こちらから)。

コラボで強さを増す「ブログ広告」

 ブログ上で展開される広告キャンペーンは、さまざまなものが出現していますが、多くは「コアな層」に届くためのツールとして機能することが多いです。それはたとえばオーディオ機器に詳しいブロガーたちを招待して新商品をいちはやく体験してもらい、ブログに感想を書いてもらう、といった手法です。

 たとえ「インフルエンサー」と呼ばれるようなブロガーであったとしても、それらの記事ひとつひとつの影響力はマスメディアのようなものとは異なります。まず熱心な一定数の読者に対して機能して、そこからまたクチコミで広がっていけばいい、といった考え方が一般的です。やがてそれらネット上での声のひとつひとつが線でつながって面になって、想定以上に大きな影響力を持つこともあります。

 しかし、今回のような、マスメディアでもおなじみの人気タレントでもある芸能人ブロガーを起用し、さらにテレビCMと掛け算にする、「テレビCMでみた、あのブログ記事の商品」というコミュニケーション設計は、新発売の話題の醸成という目的達成に対して、非常に明快でインパクトのあるものだと感じています。

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