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洗濯乾燥機の進むべき道を切り拓く

パナソニック「ヒートポンプ乾燥方式搭載ななめドラム洗濯乾燥機」(その1)

2009年6月17日(水)

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 2005年11月末に松下電器産業(現パナソニック)から発売された「ななめドラム洗濯乾燥機NA-VR1000」は、エコロジーの観点から見ると画期的な洗濯乾燥機だった。乾燥装置に電熱線式ヒーターを使った従来の洗濯乾燥機と比べると、同じ量の洗濯物を洗って乾かすのに、電力も水も使用量が半分以下になったのだ。

 この「いきなり半分以下」という省エネ省資源効果を発揮できた理由が、乾燥装置の加熱方式に世界で初めてヒートポンプを採用したからだった。

 それを可能にしたのが、2007年の第17回「日経BP技術賞」でエコロジー部門賞に輝いた同社開発の技術「ヒートポンプ式洗濯乾燥機を実現させた超小型ヒートポンプユニット」だった。

エネルギーも水量も時間も「2分の1」

 受賞当時、製品化段階のヒートポンプ開発チームを率いた主任技師の河合哲夫(現在は、パナソニック ホームアプライアンス社ランドリービジネスユニットドラム洗技術グループ第二設計チーム主任技師)は言う。

 「乾燥機としては海外にあったんですが、洗濯乾燥機としてヒートポンプ乾燥方式のを実現したのは世界初でしたね」

 NA-VR1000は、2003年11月に同社から初めてななめドラム洗濯乾燥機が発売されてから、2年後にリリースされたモデルだ。

 当時、洗浄の分野でチームリーダーとして開発に関わった藤井裕幸(現在は、パナソニック ホームアプライアンス社ランドリービジネスユニット商品企画グループドラム洗チームチームリーダー)はこう振り返る。

 「ヒートポンプ搭載の洗濯乾燥機を開発する時のキーワードは『2分の1』。エネルギーも使用水量も時間も半分。それでできたのがNA-VR1000でした」

 実際、ヒートポンプ乾燥方式採用のNA-VR1000は、同社が前年に発売したヒーター乾燥方式のななめドラム洗濯乾燥機NA-V81に比べて、消費電力量は46%(4000Whから1840Whへ)、使用水量は43%(150リットルから65リットルへ)、乾燥所要時間を54%(230分から125分へ)と、使用するエネルギー、水、時間を半分にまで下げた。

ヒートポンプ乾燥方式搭載ななめドラム洗濯乾燥機の開発に携わったパナソニックの藤井裕幸チームリーダー(左)と、河合哲夫・主任技師(写真:佐保圭)

 ただ、ヒートポンプのデバイスがヒーターに比べて高コストなため初期投資は高くなってしまった。しかし、省エネ(使用電力と使用時間を半減)と節水(使用水量を半減)の効果により電気代と水道代が大幅に節約できるので、使えば使うほど得になり、経済面でも魅力的な商品だと藤井は言う。

 現在、地球温暖化など環境問題に対する世界の動向を受け、国の方針としても省エネ・節水が奨励されている。また、最近では、コンシューマーの環境意識の高まりから「環境にどれくらい優しいか」が商品選択の重要な要素となっている。

 3年半前の洗濯乾燥機のヒートポンプ乾燥方式の登場は、その後から現在につながる「洗濯乾燥機の進むべき方向」を示す画期的な出来事だった。

 そんな「ヒートポンプ乾燥方式搭載ななめドラム洗濯乾燥機」誕生の背景には、2000年に日本初の縦型洗濯乾燥機を発売した同社だからこその葛藤があった。

 藤井が語る。

 「初めて洗濯乾燥機を出した時、私たちが追い求めていたのは、お客様の家事の負担を楽にすること、つまり家事の合理化でした。しかし、ある人から『天日で干せばエネルギーを使わないのに、どうしてヒーターでわざわざ乾燥させるんですか』と言われたんです」

 しかも、熱風で水分を蒸発させるヒーター式の場合、乾燥するときに温度が上がり過ぎないよう冷却するために、洗濯用とは別の水も使用するという。

 「ヒーター式ですとどうしても高温になるため、衣類の傷みも避けられません。衣類の傷みも少なく、エネルギーも冷却水もできるだけ使わない洗濯乾燥環境を提供していきたい……そんな切なる思いから、ヒートポンプ式の洗濯乾燥機を作ったんです」

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