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技術の世代交代は無秩序を招く

「NTTドコモ対その他」の行く末

  • クロサカ タツヤ

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2009年6月11日(木)

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 先日、親戚が暮らすマンションの屋上に、イー・モバイル(以下、EM)がアンテナを建てさせてほしい、とやってきた。その時に提示された条件は月10万円足らず。せいぜい管理費や修繕費の積み立てにちょっと役立つ、という程度のものである。

 相談を受けた私は、ケータイの基地局が高出力の電磁波を発生させること、将来の撤去費用の同社への負担は彼らの経営状況から考えると容易でないだろうことなど、通信キャリアが説明していないと思われる可能性を伝えたうえで、後は条件との天秤にかけたらいいのでは、と答えた。

 その後しばらくして親戚から再度連絡を受けたのだが、話を聞いて驚いた。ほかの住人の調べによると「ソフトバンクモバイル(以下、SBM)はEMより約2万円高い条件を出している」そうで、通信キャリア相手に価格競争させていたらしいのだ。

 結局どちらを選んだのか、事の顛末はまだ聞いていないが、一般住民である「素人」が通信キャリアに向かって基地局の条件について価格交渉をするという事実は、今後の彼らの事業運営の厳しさを想像させる話である。彼らの経営を左右する、基地局の更新や打ち直しという「貸借対照表」の大規模な資産入れ替えを行うタイミングが、既に到来しているからだ。

2つの世代交代が同時に到来

 本コラムでも触れてきた通り、今ケータイ産業は世界的に一大転換期を迎えている。その理由は、

 資本:寡占の進展と金融危機で資本の流れが変わった

 技術:技術の世代交代のタイミングが訪れた

 政策:ケータイの役割が通信・産業政策上で大きくなった

 といった複数の要因が組み合わさり、一気に動き出したことによる。いずれも10~20年に1度、という規模での大変化であり、それらが組み合わさることで生じるこれから数年間の変化は、結果として未曽有の転換期となるであろうことは、想像に難くない。

 その中でも「技術」、すなわち通信規格の世代交代が起きているというのは、特筆すべき事項だ。その善し悪しはさておき、やはり現時点でのケータイ産業の中核は通信キャリアであり、彼らが選択した規格や運用技術によって形成されたインフラがなければ、あらゆる端末やサービスは展開しようがないからだ。GSM(第2世代通信規格)のサービスがなかった日本では、初代「iPhone(アイフォーン)」がリリースされなかった、ということだ。

 このインフラ技術の世代交代は、大体10~15年に1度くらいのサイクルで訪れるのだが、世界では今2つの世代交代が同時に議論されている。

 1つは、そのGSMの世代交代。1990年代初頭にサービスが開始され、今は世界で最も多くの人が使っている通信規格だが、データ通信の興隆に伴い、インフラとして心許なくなってきた。開発当初に比べ、契約当たり月間平均収入(ARPU)に占めるデータ通信の比率は大きくなっており、もはや見過ごすわけにはいかない。これは主に3G(第3世代通信規格)対応の遅れている新興国が中心となる。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授