• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

強すぎるNTTグループの是非

「一国の単純な競争政策」では解決しない

  • クロサカ タツヤ

バックナンバー

2009年6月18日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回、3.9Gのデータ通信技術であるLTEの帯域幅(通信に使う周波数の幅)について触れたところ、ちょうど連載が更新される直前の水曜日に、総務省から答申が示された。結果としてはほぼ予想通り、NTTドコモが条件付きの15MHz、他社は10MHzとなった。

 LTEの通信速度は、運用技術の水準が一定であれば、原則として帯域幅が大きければ大きいほど高速となる。また免許は、基本的に通信キャリアの希望を総務省が審査・調整するという手順だが、事前に条件も示されており、今回に関しては基本的に各キャリアの希望から大きくは外れない周波数帯や帯域幅が取得できたはずだ。

設備投資規模が小さめのNTTドコモ

 そのうえで通信キャリアがあえて控えめ(最大は20MHz)の帯域幅を申し出てきたということは、彼らはLTEが総合的には当面成熟しないと考えているのだろう。各社ともMIMOという高速化技術を採用しているが、今回の割り当ての結果、おそらくその通信速度は状態のいい時で10Mbps前後、大体はその半分強といったところに落ち着くと思われる。

 一方で同時に総務省から発表された各社の開設計画によると、各社の事業計画には大きなばらつきがある。ざっくり設備投資額を比べると、NTTドコモの3430億円に対し、KDDIは5150億円、ソフトバンクモバイル(以下、SBM)は2073億円、イー・モバイル(以下、EM)は644億円となる。

 ユーザー規模を考えれば、NTTドコモの投資規模の小ささに対し、KDDIは相当大きい。特に彼らは、2014年度末時点で3万局近い基地局対応による96.5%近い人口カバー率の達成を目指しており、その積極性は各社に比べてひときわ目立っている。現在採用している技術の頭打ちが見えてきており、インフラの高度化が急務と考えてのことだろう。

 しかし今回認可されたLTEのスペックでは、NTTドコモなどがすでに全国展開しているHSDPA(数Mbps程度のデータ通信が可能な技術)や、SBMやEMが今後提供を予定しているその拡張版であるHSPA+に比べ、圧倒的な優位性があるわけではない。彼らの財務・事業基盤が必ずしも盤石ではない中で、優位性も定まらない技術にインフラの将来を託すのは、率直に言って相当なギャンブルである。

 それでも彼らが賭けに出なければならない理由は、今や強すぎるNTTドコモに対して、何とか食らいついていかなければ、企業としての将来がないという危機感にあると思う。裏返せば、業界2位のKDDIを焦らせるほど、昨今のNTTドコモは強大化しているということだ。

コメント2

「クロサカタツヤのケータイ産業解体新書」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

もう中山素平のような人物が銀行の頭取という形で現れることはないだろう。

佐藤 康博 みずほフィナンシャルグループ社長