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なぜ製鉄会社が、最先端半導体分野を?

新日鉄「炭化ケイ素(SiC)単結晶ウエハー」(その1)

2009年7月8日(水)

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 2009年春、1つのニュースが世界を駆け巡った。

 新日本製鉄(新日鉄)が、20年近く開発を続けてきた炭化ケイ素(SiC)単結晶ウエハーが製品となったのだ。子会社の新日鉄マテリアルズが2インチ(50ミリメートル)、3インチ(76ミリメートル)、4インチ(100ミリメートル)というサイズのSiCウエハーを4月1日から製造販売している。2008年の第18回「日経BP技術賞」機械システム部門賞を獲得した「内部欠陥の少ない大口径炭化ケイ素(SiC)単結晶ウエハーの製造」という技術が、いよいよ世に出る瞬間を迎えている。

 SiCウエハーとは、SiCの単結晶で作られたインゴット(円柱形の塊)を厚さ約0.36~0.37ミリメートルという極薄で円盤状にスライスしたもの。モーターの回転数を調整するインバーターなどに利用されているパワーデバイス(電力用半導体素子)の基板材料として利用されている。

日本企業で初めて4インチサイズのSiC単結晶ウエハー(右)の製品化を実現した

大きな省エネ効果が期待できる

 新日鉄によるSiCウエハー販売のニュースが、世界に大きなインパクトを与えた理由は、3つある。

 第1に、SiCウエハーが省エネ効果を発揮すること。

 パワーデバイスの半導体には、通常はシリコンが使われる。SiCはシリコンに比べて、電力損失が少なく、熱に強い特性を持つ。効率的に電力を消費でき、冷却に要するエネルギーも減るので、省エネ効果をもたらすというわけだ。

 第2に、4インチという大口径SiCウエハーを、米半導体大手のクリーに続いて製品化したこと。

 既存の半導体工場では、4インチサイズ以上に合わせた設備が大半となっている。つまり、パワーデバイスを量産しようとすると、ウエハーは最小寸法が4インチなのである。

 しかし、口径が大きくなればなるほど、SiCウエハーは、製品として耐え得る品質を担保するのが難しくなる。このため、4インチを主とするSiCウエハー市場はクリーの独占状態にあった。

 これでは、製品価格が下がりにくい。今回、新日鉄が名乗りを上げたことは、SiCウエハーの価格低下とデバイス量産の加速につながってほしいと、電機や自動車などのメーカーが期待している。

 第3に、業界最高品質をうたっていること。

 パワーデバイスに使われるSiCウエハーの場合、欠陥の少ない高品質であることが必須条件となる。SiCウエハーでは「マイクロパイプ」と呼ばれる中空貫通欠陥があると、通電不良の原因となる。新日鉄ではマイクロパイプの存在密度を1平方センチメートル当たり1個以下という品質の高さを実現している。

 また、結晶の変形が原因の「転位欠陥」と呼ばれる現象がSiCウエハーで起こると、デバイス製造の歩留まり低下を招く。この点についても、「クリーと同等の水準に達している」(新日鉄)という。

 以上の3つの特性を考えると、新日鉄のSiCウエハーは、まさにこれからの時代が求める夢の新素材と言える。

小型化、薄型化も可能になる

 ここで、いくつかの疑問がわいてくる。

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