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新日鉄「炭化ケイ素(SiC)単結晶ウエハー」(その2)

2009年7月15日(水)

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その1から読む)

藤本辰雄・主幹研究員
(写真:佐保 圭、以下同)

 高品質で4インチ(100ミリメートル)の単結晶ウエハーを作る難しさ。それは、炭化ケイ素(SiC)製造の老舗の米クリーですら、マイクロパイプフリーの4インチSiC単結晶ウエハーの供給を開始したのが2007年の秋からという事実からも分かる。

 その難しさについて、新日本製鉄(新日鉄)の先端技術研究所の主幹研究員である藤本辰雄が答えてくれた。

 「SiCの固体を加熱すると、液体にはならず、いきなり気体になります。その気体から単結晶させるので、昇華再結晶法といいます」

精緻な温度管理で、原子を積み上げる

 SiCの単結晶は1時間に数ミリメートルのペースで育てられるが、「この時の結晶成長容器内部の温度分布が最も重要だ」と藤本は言う。

 「中が全部同じ温度分布になればいいというわけじゃない。正常な結晶を起こすために最適な温度分布があるんです。そこの制御を間違えると、割れが発生したり、マイクロパイプのような欠陥が発生したりして、半導体の基板になりません」

 「シリコン(ケイ素)が1400度に対して、SiCは2000度を超える高温です。過去にいろんな会社が参入しては去っていきました。その理由も、高温をいかに制御するかが難しかったからだと思います」

 新材料研究部長の大橋渡は、こんな例えで解説する。

 「原子1個から言うと、直径4インチ以上の空間はものすごく広い。その時、原子1個1個は温度だけを頼りに飛んでいくわけです。つまり、温度分布の制御で原子1個1個に『こっちに行きなさい』と命令している。しかも、ケイ素と炭素という違った原子を1個1個、順番に積み上げていかなければ、すぐに欠陥ができてしまうのです」

 4インチのSiC単結晶ウエハーの場合、このような緻密な作業を約10の23乗個という膨大な数のSiとCの原子の数だけ続けなければならないのだから、相当難しい技術を要求されることは理解できる。

 でも、なぜそんな高度な半導体技術を製鉄会社がクリアできたのだろう。

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