「宮田秀明の「経営の設計学」」

モデルから変革すべき日本人の英語教育

社会人になって英会話を学ぶのはコスト高

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2009年7月3日(金)

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 海の仕事が中心だった頃には英語を使うことも多かったのだが、企業経営や小売流通、環境経営などに主軸を移したので、海外へ出向くことも英語を使うことも、めっきり減ってしまった。

 きっと私の英語力は退化していることだろう。海の仕事をしていた時代は、少年時代の英語の学習に感謝することが多かった。

 中学3年から高校1年までの2年間、英語の習得に集中した。友人の母の誘いに乗って、1年半ほど英会話を習うことにした。生徒は3人だけで、1回につき1時間半で週2回、ドイツ系アメリカ人で日本語がほとんど話せないローズマリーさんに教わった。彼女は米国で日本人宣教師と結婚し、日本勤務になった夫とともに来日していた。

 このローズマリーさんに教わったおかげで、英会話の基本をしっかり学ぶことができた。彼女は日本の地方都市、私の故郷である松山市に滞在していたのだが、子供たちの米国籍取得問題があり、1年半ほどで米国へ戻ってしまった。

 単語の最初に使われるYやWの発音も徹底的に教えられた。両方とも、力強く発音しなければ、その単語が伝わらない難しいアルファベットなのだ。

2年間集中して勉強できたおかげで英語で困らなかった

 本当は奥様のローズマリーさんではなくご主人の日本人に教えてもらう予定だったのに、彼は多忙で、全く日本語のできない奥様が教えてくれたのだが、たまにご主人が登場した。

 彼は私に、英会話のフレーズを話させて言った。
 「いいですね。イントネーションがいい。それ日本語で言ってみて」
 私が日本語を話した後で彼は言った。
 「やっぱり日本語の方がうまいね」
 人を褒めて育てる術も心得ていたのだ。

 並行して行ったのは、単語を覚えることだった。旺文社の「豆単」を使って、1年半に少なくとも6000語を覚えることにした。毎日20語を覚えるのだ。単語だけでなく、文章も覚えた。文法の教科書には典型的な文章、つまり例文が記されている。文法を知るよりむしろ例文を覚えることに徹した。さらに、休暇中には英語の小説やエッセイを読むことにした。

 一言で言えば、私の英語学習は、覚えることに集中したのだ。それが語学の勉強の王道だと思う。

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著者プロフィール

宮田 秀明 (みやた ひであき)

宮田 秀明

1948年生まれ。1972年東京大学大学院工学系研究科船舶工学専門課程修士修了。同年石川島播磨重工業(現IHI)に入社、77年に東京大学に移り、94年より同大教授。専門は船舶工学、計算流体力学、システムデザイン、技術マネジメント、経営システム工学。世界最高峰のヨットレース「アメリカズ・カップ」の日本チーム「ニッポンチャレンジ」でテクニカルディレクターを務めた。著書に『アメリカズ・カップ―レーシングヨットの先端技術―』(岩波科学ライブラリー)、『プロジェクトマネジメントで克つ!』『理系の経営学』(日経BP社)など



このコラムについて

宮田秀明の「経営の設計学」

経営には「論理」が必要である。論理を積み重ねた理系思考がイノベーションを育む。技術力を最大限に生かし、プロジェクトをまとめ上げ、新しいビジネスを創造する。「理系の経営学」を提唱する東京大学の宮田秀明教授が理系の視点による経営の要諦を語る。

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