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無線通信も「クラウド化」へ

本業“通信”を手放す通信キャリア

  • クロサカ タツヤ

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2009年8月6日(木)

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 スウェーデンのエリクソンによる北米市場への攻勢で、また1つ大きなニュースが入ってきた。米国の携帯電話サービス大手スプリント・ネクステルが通信網の運営を、エリクソンに委託することで合意したのだ。今回の業務委託により、スプリント・ネクステルはエリクソンに、向こう7年間で最大50億ドルを支払うという。

11億ドルの投資で、回収は50億ドル?

 エリクソンが、カナダのノーテルネットワークスから無線通信関連の事業資産の一部を買収すると発表したのは、前回、触れた通り。この買収により、エリクソンは、ノーテルのCDMAとLTE(Long Term Evolution=ロング・ターム・エボリューション)技術関連事業を取得している。

 このうちLTEについては、米国ではベライゾンが2010年からサービスインするロードマップが見えており、またエリクソン自身が実質的な“ドン”でもあることから、展開先が見えていた。しかしCDMA事業については、その使い道についていろいろな憶測があった。

 というのは、以前も触れた通り、CDMA陣営の今後は厳しいと考えられているからだ。特にデータ通信の規格であるCDMA2000は、その高度化の先行きが危ぶまれており、日本でもKDDIがLTEの採用を表明しているように、3G(第3世代)から3.9Gへの世代交代でふるい落とされる可能性がある。

 一方、全国区の通信キャリアだけが整然と事業を推進する日本とは異なり、米国のケータイ産業は混沌としている。米国では、例えば通信キャリアの区分でも、大きく分けて全国区(ユニバーサル)事業者、地区別(ローカル)事業者、MVNO(仮想移動体通信事業者)の3種類が存在する。そして各キャリアは、音声方式ではGSM、CDMA、3GのW-CDMAのいずれか(場合によっては複数)の技術を採用してサービスを展開している。

 これだけ入り組んでしまうと、技術の世代交代はそう簡単には進まない。逆に言えば、これだけ事業環境が多様なら、枯れた技術や将来性に乏しい技術であっても、一度入り込んでしまえば、当面は維持されることになり、そこに商機が残っている、とも見ることができる。こうした、いわば落ち穂拾いに近い動きを、エリクソンと言えども北米のCDMA事業では進めていくということか、とも思われていたのだ。

 しかし、今回の委託元であるスプリント・ネクステルは、前述の区分で言えば「全国区・CDMA陣営」である。このタイミングでこれだけのビッグビジネスを手中に収めたということは、むしろノーテル買収時には既にほぼ受注が見えていたと考える方が自然だ。落ち穂拾いどころか、予め収穫を約束された投資だったということである。

 もちろん、ノーテルへの11億3000万ドルの投資で、スプリント・ネクステルから50億ドルを回収する、とだけ考えるのはさすがに早計だ。ノーテルの買収に含まれているLTEは、まだこれから設備投資やサービスが始まるところだし、前回も触れた通りいまだバブルが発生していない。場合によっては掛け声倒れのダウンサイドリスクも生じる。

 ただ少なくとも、こうした規模でのダイナミズムが、世界のケータイ産業の趨勢であることは間違いない。そして日本のケータイ産業が脱ガラパゴスを標榜するのであれば、これくらいの激しい戦いを覚悟する必要がある。そして、それでも世界に出て行かなければならないというのが、日本のケータイ産業の置かれた厳しい現実なのである。

姿を見せる先進国での「上下分離」

 一方、今回のニュースをスプリント・ネクステル側から読み解くと、彼らが北米の通信キャリアとしては相当に大きく舵を切ったことが分かる。そしてそこから、日本にも波及しうる、ケータイ産業における世界的なトレンドが見て取れる。

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