2010年10月、東京国際空港(以下、羽田空港)が新たに生まれ変わる。
4本目となる滑走路が完成して、発着枠が3割以上も拡大。増便規制や騒音問題など、羽田空港が長年抱えてきた課題を解決される。国際線の発着枠も年6万回にまで増えるので、羽田空港の国際空港化が一段と進むことにもなる。
新滑走路の建設は、様々な制約がある中で困難を極めた。ただ、それが埋め立て地と鋼鉄製の桟橋をドッキングさせた「ハイブリッド滑走路」を生み出すきっかけともなった。
東京湾の中でも羽田空港周辺には“働く船”が集結し、さながら「海の工事現場」とも言えそうな様相を呈している。
滑走路の下を自由に水が流れる
出張や旅行で、次に羽田空港を使うことがあったら、窓際の席を予約することをお勧めする。運が良ければ、今しか見られない珍しい光景を目にすることができるからだ。
写真の手前に見えるのが、羽田空港の4本目となる滑走路だ。正式にはD滑走路と呼ばれる。2500メートルの滑走路のうち、東京都側(写真では左側)の約3分の1の土台が、鋼鉄製の桟橋でできている。残りは従来の拡張工事と同様に、埋め立てで土地を造成している。
今回、すべての土台を埋め立てにしなかった理由は、環境への配慮からだ。D滑走路の一部は、写真の奧に見える多摩川の河口部分にかかっている。土台すべてを埋め立て構造にしてしまうと川の流れを遮ってしまう。そのため、滑走路の下でも水が自由に流れるように、土台を桟橋構造にしたのだ。
桟橋を支えているのは海底に打ち込まれた鋼鉄の柱だ。東京湾の水深は羽田沖で14〜19メートルで、さらに海底から下に20メートル近くは、軟弱な地盤になっている。
そのためジャンボジェット機でも安全に離発着できるように、直径1.6メートルもの太さの鋼管を海底70メートルの深さまで打ち込んである。
海水にさらされても100年使える耐久性
その鋼管の上に設置されるのが「ジャケット」と呼ばれる鋼製のユニット構造物である。
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