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「発明ではなく、芸術」という誇り

ユニチカ「高耐久性の植物由来プラスチック テラマック」(その2)

2009年9月9日(水)

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前回のあらすじ)

 ユニチカは、地球環境に優しいプラスチック「テラマック」を開発、「繊維」「不織布」「フィルム」と商品化した。次に目論んだのが「樹脂」だ。ところが、耐熱性が不十分でなかなか実現しない。1000回を超える実験の末、問題解決に成功した。

 セ氏100度を超えるような熱さでも変形しない植物由来のプラスチック樹脂を作るためには、「結晶化速度を上げる添加物の発見」が不可欠だった。この壁は、ユニチカの技術開発本部中央研究所研究開発グループグループ長の上田一恵ら開発チームによって乗り越えた。

 この“結晶”は、技術開発課の技術者の手に引き継がれる。量産化、事業化を視野に入れると、克服しなければならない課題はいくつも残っていた。

 その解決を任された技術者の1人が、樹脂生産開発部樹脂開発技術課の上川泰生だ。1997年に入社、ナイロンやニューポリマーの開発をメーンにしていた上川は、2003年、テラマックの樹脂の事業化に向けた開発を命じられた。

ユニチカの樹脂生産開発部樹脂開発技術課の技術者である上川泰生(写真:佐保 圭、以下同)

 「専任の技術者が1人おったんですが、その下で兼任みたいな感じで始めました。最初は2人だけでした」

 とりあえず、結晶化速度の向上は、中央研究所で達成できていた。ただ、射出成形材料として事業化するためには、ユーザーに受け入れられる性能を実現しなければならない。

 「ですから、お客様に実際に使っていただいて、『こういうところが足りない』とか『こういう性能がほしい』など、いろいろと評価していただき、その反応を踏まえて、性能を改善していきました」(上川)。

 では、事業化に向けた性能改善とは、どのようにしてなされるのか。地球環境を守る“夢のプラスチック”なのだから、今度こそ、さぞかし凄いだろう。

コネコネがグッチャグッチャに変わると・・・

 現代科学の粋を集めた最先端の実験装置を期待した。だが、上川の答えはそっけなかった。「単純です。一緒なんですよ」。

 「材料と改質剤になる添加剤を一緒に入れて、温めながらグッチャグッチャ練って、ノズルのところから押し出して、糸みたいなやつを細かく切ってペレットにする。そのペレットでサンプルテストピースを作り、成形性や機械物性など、多岐にわたって評価するんです」

 確か、上田は結晶化速度を上げる実験方法を「コネコネ」と表現していた。ということは、コネコネがグッチャグッチャに変わっただけ!?

 かと思いきや、そんな単純な話ではなかった。

 まず、実験全体のスケールが違った。

 「評価する項目が非常に多いので、ちょっとじゃダメ。5キログラム、10キログラムのスケールにしなくちゃいけない。研究は少スケールで作ればいいですけれど、お客様に提供する場合は10トン単位とかスケールアップします。だから、量産技術も意識して、機械もかなり大きなものに変えなきゃいけない。ところが、機械の大きさを変えたら、仕上がりの性能が違ってしまったり・・・その辺りが難しいところでしたね」と上川は説明する。

 難問はまだまだあった。

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