「池原照雄の「最強業界探訪--自動車プラスα」」

民主政権がクルマの使い方を変える

暫定税率廃止で購入・保有・使用のコスト軽減

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2009年9月9日(水)

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 民主党政権の誕生は、購入から保有、使用に至るまでクルマの費用軽減をもたらす。マニフェスト(政権公約)の柱に、旧道路特定財源の暫定税率廃止と、高速道路の段階的無料化が掲げられたからだ。税金は下がらないものと諦めの境地で40年クルマを乗ってきた筆者にはある種、夢のような話である。

 財源問題、ガソリン価格の低下や高速道路料金の無料化による環境負荷の増大といった懸念材料は少なくない。しかし、先進諸国では突出していたクルマへの課税が大幅に軽減され、やがて高速道路も料金を気にせず走れるようになる。物流費の改善といった生産活動だけでなく、クルマによる旅行機会の拡大など生活スタイルの変化にも大きなインパクトをもたらすことになろう。

 暫定税率が廃止されるのは、従来、道路整備のための「道路特定財源」としてクルマや燃料に課税されてきた税金。今年度から使途を限定しない一般財源となったものの、ほぼ30年に及ぶ割高な暫定税率のまま課税されている。

 クルマへの課税としては購入時の自動車取得税(以下、取得税)、購入時および車検ごとに徴収される自動車重量税(以下、重量税)の2つがある。また、ガソリンには揮発油税と地方道路税が課税されてきた。

 民主党がマニフェストに沿って2010年4月からこれらの暫定税率を廃止して本則税率に戻すと、取得税は4割(本則税率の軽自動車は変わらず)、重量税は約6割の減税となる。また、ガソリンは1リットル当たり約25円が減税され、その分小売価格が下がる。

税金・ガソリン代は7年間でいくら安くなる?

 そこで、取得価格180万円、車両重量1.3トン、実走行燃費リッター11キロなど、一定の前提条件を元に乗用車を7年使用した場合の暫定税率廃止による税金とガソリン代を試算してみた(下の表を参照)。

○暫定税率廃止で税金やガソリン代はこうなる
(取得価格180万円の乗用車を7年使用)

    新車購入〜
3年間
初回車検〜
2年間
2回目車検〜
2年間
合計
暫定税率廃止 自動車取得税 5万4000円 ー  5万4000円
自動車重量税 2万2500円 1万5000円 1万5000円 5万2500円
ガソリン代 21万9000円 14万6000円 14万6000円 51万1000円
        総合計61万7500円
エコカー減税
(減税率75%)
自動車取得税 2万2500円 2万2500円
自動車重量税 1万4175円 3万7800円 3万7800円 8万9775円
ガソリン代 27万3750円 18万2500円 18万2500円 63万8750円
        総合計75万1025円
< 参考 > 暫定税率継続でエコカー減税もない場合 総合計86万1050円
※この乗用車の前提=排気量1.5リッター・ガソリンエンジン、車両重量1.3トン、燃費18キロ/1リットル(10・15モード)で75%のエコカー減税に該当とする(実走行燃費は11キロ/1リットルとしてガソリン代を算出)。年間走行は8000キロ
※ガソリン価格は暫定税率廃止前の小売価格を125円/1リットルとして固定している

 現在実施されているエコカー減税(取得税と重量税が対象)では「75%減税」に相当するものとして、その費用もまとめた。さらに暫定税率が維持され、エコカー減税がない場合の費用も参考として示した。

 暫定税率廃止とエコカー減税との比較では、税金については暫定廃止が数千円安い程度だが、ガソリン代で相当な差額が生じ、総合計では13万円余りの差となる。また、暫定廃止を暫定継続でかつエコカー減税もないケースと比較すると、24万円余り(年平均約3万5000円)の負担軽減となった。

 民主党の試算(前提条件は不明)では、暫定税率廃止による1世帯当たりの年間減税額は5万3000円とされている。地方ではクルマの複数保有世帯が多いので、筆者の試算とそうかけ離れたものではないと思われる。

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著者プロフィール

池原 照雄(いけはら・てるお)
経済ジャーナリスト

池原 照雄

1950年生まれ。山口県出身。77年北九州市立大学卒。日刊自動車新聞、産経新聞の経済記者として自動車、エネルギー、金融などを担当。2000年からフリー。雑誌やインターネット上で、経済全般について幅広く執筆活動を行う。著書に『図解雑学 自動車業界のしくみ』(ナツメ社刊)『トヨタVS.ホンダ』(日刊工業新聞社刊)がある



このコラムについて

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ハイブリッド車、低燃費車やコンパクトカーといった新しい技術やモデルの話題はもちろん、企業間の提携やゴーン流ガバナンスなど、自動車業界のあらゆる分野に切り込み、レポートする。国内だけでなく、クライスラーやGMなど、海外の業界動向にも目を向ける。

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