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「官製不況」転じて、福とできるか

NEC、カシオ、日立の事業統合に「脱ガラパゴス」の期待

  • クロサカ タツヤ

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2009年9月17日(木)

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 9月14日、NEC、カシオ計算機、日立製作所の3社が、各社の携帯電話端末事業の統合を発表した。NECのケータイ部門であるモバイルターミナル事業本部が別会社として切り出された後、カシオと日立の合弁会社であるカシオ日立モバイルコミュニケーションズを吸収し、2010年4月に新会社「NECカシオモバイルコミュニケーションズ」を設立する。新会社はNECが70%を出資し、連結子会社とするとのこと。

 今回の統合について、3社は口を揃えて、国内市場の飽和による競争環境の激化と、海外市場への再挑戦、そしてLTE(ロング・ターム・エボリューション、高速通信を可能とする第3.9世代の携帯通信技術)などの次世代ケータイ規格への対応を理由に挙げている。いずれも以前から指摘されていた課題であり、資本市場や業界内部では「今年はケータイベンダーの統合が起きる」と噂されていた話である。今回の3社についても早い段階から統合話が出ていたこともあって、取り立ててサプライズということはない。むしろ遅すぎるという声さえあるほどだ。

 確かに、業界の末席で仕事をしている筆者としても、もう少し早く手が打てていたら、もう少し経営オプションが増えていただろう、とは思う。ただ、「たられば」を言っても仕方がないし、このタイミングであってもやらないよりはやった方がよかった、と思っている。

引き金は「販売奨励金制度の廃止」

 今回を含めた、国内ケータイベンダーを統廃合に追いやった直接的な「引き金」の1つは、やはり総務省が2008年度から仕掛けた「販売奨励金制度の廃止」に向けた動きに端を発するだろう。

 ごく簡単に説明すると、販売奨励金(インセンティブ)とは、携帯電話・PHSの販売促進のためにケータイキャリアが販売代理店に支払う報奨金のことである。これにより、見かけ上ケータイ端末の値段が1円というような激安状態が実現し、結果として端末販売が加速した。

 こうした商慣行の見直しを総務省が打ち出し、各キャリアは既に2008年度から段階的に販売奨励金制度の廃止と、割賦販売(端末価格の分割払い)をはじめとする新たな販売策を実施した。現在は、多くのキャリアで割賦販売が中心となりつつある。

 結果としてこれが、ベンダー側にとってみれば、販売台数の低下を招く施策となった。割賦販売の分割払いが大体24カ月と設定されたため、ユーザーがその支払いを続ける間、機種変更などの端末買い替えを控えるようになったのだ。実際、販売台数は減少し、一部のベンダー経営者からは「官製不況」(さらには、同施策を推進した総務省行政官の個人名を冠した○○不況)という声さえ聞かれた始末である。

 確かにベンダーからすれば、これまで順調にものづくりを進めていたところ、いきなり市場への「出口」を閉められてしまったような印象を抱いたのかもしれない。実際、日本のケータイ端末市場は、通信キャリアが運営するキャリアショップにその売り上げの多くを依存しており、ベンダー自身が自力で商流をコントロールできる状況にはない。

 その商流構造の変革が完了するのを待たず、出口であるキャリア側の動きに対して急進的に規制がかかり、結果として端末販売が落ちたのである。恨み節の1つや2つが聞こえてきてもおかしくはないし、乱暴と言えば確かに乱暴な進め方だったのかもしれない。

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