• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ポジティブ・スパイラルの入り口はどこだ?

ネガティブ・スパイラルに陥った日本に必要なこと

  • 宮田 秀明

バックナンバー

2009年9月25日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 電気自動車の設計で難しいことの1つは「軽量化」である。現状ではガソリンエンジンよりリチウムイオン電池の方が倍ほど重いので、電気自動車の車全体の重量は重くなってしまう。重くなると衝突安全のための構造も大きくなり、さらに重くなってしまう。このように、電気自動車が色々な条件を満たすためにだんだん重たい車になっていく時、ネガティブ・スパイラルが働いていると言える。

 だんだん悪い方向へ向かうのがネガティブ・スパイラル、だんだんいい方向へ向かうのがポジティブ・スパイラルである。

ポジティブ・スパイラルの入り口を探せ

 設計も経営も、ポジティブ・スパイラルの道筋を探すことが大切だ。まず、ポジティブ・スパイラルを作る入り口を探すことから始めなければならない。

 飛行機の設計の入り口も軽量化である。軽くすることができれば、飛ぶのに必要な揚力が減るので、主翼が小さくでき、エンジンも小さくできて、全体の重量も軽くなる。「全体の重さが減ったら、主翼もエンジンも小さくすることができる」という流れはポジティブ・スパイラルである。

 乗用車は空を飛ばなくてもいいので、このような重さを中心としたポジティブ・スパイラルの追求が中途半端になることもあるようだ。同じ機能なのに重量が15%違うといった例は少なくない。

 ボルボのある車種は、同じような車格のスバル「レガシィ」より15%ぐらい重い。衝突安全性能は同等かレガシィの方が上かもしれないのにそうなのだ。ほとんどの人が気づいていないようなのだが、高速道路での車線変更や山道での操縦性にこの車重の差が出てくるし、燃費にも差が出てくる。

 私がアメリカズカップのヨットを設計した時、ポジティブ・スパイラルの入り口を与えるポイントを探すのに苦労した。かつてはキールの設計だったし、風の動力を受けるセールも色々な可能性を持っている。しかし、私がたどり着いたのは、セールとキールをつなぐ位置にある船体そのものだった。細くて後ろを絞った船型がすべてにポジティブな影響を与えることがわかったのだ。

 世界最速を約束して、実際、予選で11チーム中2位になれたのは船体の形状のおかげだった。セールもキールも競争相手と大差なかった。

 経営のポジティブ・スパイラルはどのようにして作るのだろうか。ポジティブ・スパイラルの入り口はどこにあるのだろうか。

コメント5件コメント/レビュー

現在、韓国で研究されているように道路側から電気自動車の電源をとるようになれば、自動車のバッテリー問題は単なる部品の問題になり、戦術的な重要性しかもたなくなります。つまり、バッテリー問題に頭をつっこむことがまさしく執筆者の言う”負のスパイラル”に突入することになります。 性能や品質にこだわることは、戦略的な方向が正しいときにこそ輝きをもつのであって、間違った戦略上にあるときは足かせになったりすることさえあります。(2009/10/08)

「宮田秀明の「経営の設計学」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

現在、韓国で研究されているように道路側から電気自動車の電源をとるようになれば、自動車のバッテリー問題は単なる部品の問題になり、戦術的な重要性しかもたなくなります。つまり、バッテリー問題に頭をつっこむことがまさしく執筆者の言う”負のスパイラル”に突入することになります。 性能や品質にこだわることは、戦略的な方向が正しいときにこそ輝きをもつのであって、間違った戦略上にあるときは足かせになったりすることさえあります。(2009/10/08)

一日に200km以上走ることなどまずないと思います。それ以上走る可能性のある人は従来通りのガソリン車なり、ハイブリッドを使い続ければいいだけです。それでも長距離を一気に電気自動車で走りたいという少数派のために、税金を使ってまで急速充電所を整備するというなら、それは本末転倒です。TT(2009/09/28)

著者の主張は皆が当然と思う社会産業的要求内容です。特にウィンウィンやスパイラルという流行語使わなくとも記述理解可能。具体策(発案発明)が欲しいのです。ハイブリッドカーは試行として面白い社会実験だとは思います。ただ電気関係技術者等は開発途上&未来の軽量化&電力量向上見込不明&長期耐久性に疑問ある重い電池背負った車に商品として冷ややかです。静走時だけ燃費良いが車&電池製造コスト&環境負荷、廃車処理時のそれ、車の一生間の総合負荷計算とその対応策が必要。始末までの設計が「設計INPUT(入力項目)」であるべきと思います。原子力発電なぞここをどう述べられるのでしょうか?(2009/09/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長