最近、10年以上も利用してきた最寄りのガソリンスタンドが突然、閉鎖された。車両保有台数の減少や燃費性能の向上、1台当たり走行距離の減少など、石油燃料には逆風ばかりだ。今後もハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といったエコカーの本格普及によりその勢いは強まる。そこで、日本ではエコカーがガソリン需要にどの程度の影響を与えるのかを探ってみた。
HVとEVの乗用車に限定した影響度だが、ほぼ10年後の姿についての試算は、結論から言うと2020年時点でガソリン需要を1割程度減少させるという数字になった。エコカーの普及をどう想定するかで、この数字はぶれる。「1割減」はあくまでHVとEVの標準的な普及シナリオによる影響と見ていただきたい。
まず2020年にHVとEVが新車の総需要でどの程度を占めるかを予測し、これを試算の起点とした。HVについては、シンクタンクや投資銀行などによる2020年時点のいくつかの世界需要予測がある。これらでは同年の新車需要に占めるHV比率は17〜20%程度となる。
日本はエコカーのなかでもHVの普及が世界を上回るペースで進むと見られており、2020年時点では総需要のうち23%と想定した。これはHVが設定されない軽自動車を含む総需要での比率であり、軽以外の登録車(排気量660cc超)に限ると35%と、3台に1台強がHVになるという前提にしている。
2020年時点でのHVとEVの保有台数は、約1000万台
一方のEVは総需要の6.5%と見込んだ。EVの普及は、すべからく2次電池の技術革新(コスト、性能)にかかっている。つまり、10年先の近未来でも需要を読むのは難しく、説得力のある予測にお目にかかったことはない。
そこでEV開発に力点を置く日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、2020年時点の新車販売比率予測としてよく引き合いに出す「10%」という数値を参考にした。ただし、筆者はEVの普及ペースには慎重な見方なので「6.5%」を前提とした。
それぞれの販売比率をもとに、2020年時点の国内新車需要(日本自動車販売協会連合会の長期予測を参考に460万台とした)から、同年の販売台数を導くと、HVは105万台、EVは30万台となる(=表参照)。2009年の需要見通しはHV、EVとも大体読めるので表のような台数とした。
HVとEVの普及とガソリン需要への影響試算 (2020年時点)
| 新車販売予測台数 | 2020年時点での ガソリン需要影響台数 |
|||
|---|---|---|---|---|
| 2009年 | 2020年 | 2009〜20年累計 | ||
| HV | 35万台 | 105万台 | 830万台 | 415万台(830×0.5) |
| EV | 0.1万台 | 30万台 | 165万台 | 165万台 |
| 合計 | 35.1万台 | 135万台 | 995万台 | 580万台(※) |
そして2009年から2020年に至る各年の販売台数は、定量的に増加することを前提にして算出した。その数字を合算して2009年から2020年までの累計販売台数(HV=830万台、EV=165万台)を求めた。HVとEVでは合計995万台となる。
車両の平均寿命(平均使用年数)は11年余りなので、2009年以降のクルマは2020年時点でもすべて現役で走っていると想定できる。つまり、同年のHVとEVの保有台数は、ざっと1000万台と見ることができる。
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