「池原照雄の「最強業界探訪--自動車プラスα」」

エコカー普及でガソリン需要はどれほど減るのか

HVとEVの合計が約1000万台になる2020年の姿を試算

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2009年9月30日(水)

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 最近、10年以上も利用してきた最寄りのガソリンスタンドが突然、閉鎖された。車両保有台数の減少や燃費性能の向上、1台当たり走行距離の減少など、石油燃料には逆風ばかりだ。今後もハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といったエコカーの本格普及によりその勢いは強まる。そこで、日本ではエコカーがガソリン需要にどの程度の影響を与えるのかを探ってみた。

 HVとEVの乗用車に限定した影響度だが、ほぼ10年後の姿についての試算は、結論から言うと2020年時点でガソリン需要を1割程度減少させるという数字になった。エコカーの普及をどう想定するかで、この数字はぶれる。「1割減」はあくまでHVとEVの標準的な普及シナリオによる影響と見ていただきたい。

 まず2020年にHVとEVが新車の総需要でどの程度を占めるかを予測し、これを試算の起点とした。HVについては、シンクタンクや投資銀行などによる2020年時点のいくつかの世界需要予測がある。これらでは同年の新車需要に占めるHV比率は17〜20%程度となる。

 日本はエコカーのなかでもHVの普及が世界を上回るペースで進むと見られており、2020年時点では総需要のうち23%と想定した。これはHVが設定されない軽自動車を含む総需要での比率であり、軽以外の登録車(排気量660cc超)に限ると35%と、3台に1台強がHVになるという前提にしている。

2020年時点でのHVとEVの保有台数は、約1000万台

 一方のEVは総需要の6.5%と見込んだ。EVの普及は、すべからく2次電池の技術革新(コスト、性能)にかかっている。つまり、10年先の近未来でも需要を読むのは難しく、説得力のある予測にお目にかかったことはない。

 そこでEV開発に力点を置く日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、2020年時点の新車販売比率予測としてよく引き合いに出す「10%」という数値を参考にした。ただし、筆者はEVの普及ペースには慎重な見方なので「6.5%」を前提とした。

 それぞれの販売比率をもとに、2020年時点の国内新車需要(日本自動車販売協会連合会の長期予測を参考に460万台とした)から、同年の販売台数を導くと、HVは105万台、EVは30万台となる(=表参照)。2009年の需要見通しはHV、EVとも大体読めるので表のような台数とした。

HVとEVの普及とガソリン需要への影響試算 (2020年時点)

  新車販売予測台数 2020年時点での
ガソリン需要影響台数
2009年 2020年 2009〜20年累計
HV 35万台 105万台 830万台 415万台(830×0.5)
EV 0.1万台 30万台 165万台 165万台
合計 35.1万台 135万台 995万台 580万台(※)
(※)ガソリン消費ゼロのみなし台数であり、2020年の全保有台数の1割を占める

 そして2009年から2020年に至る各年の販売台数は、定量的に増加することを前提にして算出した。その数字を合算して2009年から2020年までの累計販売台数(HV=830万台、EV=165万台)を求めた。HVとEVでは合計995万台となる。

 車両の平均寿命(平均使用年数)は11年余りなので、2009年以降のクルマは2020年時点でもすべて現役で走っていると想定できる。つまり、同年のHVとEVの保有台数は、ざっと1000万台と見ることができる。

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著者プロフィール

池原 照雄(いけはら・てるお)
経済ジャーナリスト

池原 照雄

1950年生まれ。山口県出身。77年北九州市立大学卒。日刊自動車新聞、産経新聞の経済記者として自動車、エネルギー、金融などを担当。2000年からフリー。雑誌やインターネット上で、経済全般について幅広く執筆活動を行う。著書に『図解雑学 自動車業界のしくみ』(ナツメ社刊)『トヨタVS.ホンダ』(日刊工業新聞社刊)がある



このコラムについて

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ハイブリッド車、低燃費車やコンパクトカーといった新しい技術やモデルの話題はもちろん、企業間の提携やゴーン流ガバナンスなど、自動車業界のあらゆる分野に切り込み、レポートする。国内だけでなく、クライスラーやGMなど、海外の業界動向にも目を向ける。

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