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消費電力の1割は風力で賄える

風力発電機の世界最大手CEOが見通す近未来図

2009年10月5日(月)

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 デンマークに本社を構える風力発電機の世界最大手メーカー、ヴェスタス・ウィンド・システムズ。米ゼネラル・エレクトロック(GE)らの競合が追い上げる中、風力を石油やガスと並ぶ主力エネルギーに育て上げることを社是に掲げ、積極投資を続ける。ディトレフ・エンゲルCEO(最高経営責任者)に、新エネルギー開発の重要性について聞いた。

(聞き手は日経ビジネス・ロンドン支局 大竹剛)

 ―― 風力を石油やガスに並ぶ主力のエネルギー源に育て上げるという野心的な目標を掲げていますね。

 エンゲル 我々は、風力が競争力のあるエネルギー源になると信じています。

 依然として、多くの企業が「風力発電のコストは高く、風力を導入したら、会社の競争力が損なわれてしまう」と言うかもしれません。しかし、今後20年で投資回収することを考えてみてください。石油やガス、石炭の価格が今後、どのように変動するか、誰が正確に予測できるでしょうか。

石油やガスの価格変動リスクをヘッジできる

ディトレフ・エンゲル氏
ヴェスタス・ウィンド・システムズCEO
1964年生まれ。2005年に同社CEOに就任し、風力発電機の安売りが災いして破綻寸前に陥っていた同社を再建。今後の風力発電市場の主戦場である米国と中国に工場を矢継ぎ早に設立し、世界シェア2位の米ゼネラル・エレクトリック(GE)と市場争奪戦を繰り広げている
(写真:Brian Skyum、以下同)
画像のクリックで拡大表示

 エンゲル 一方、風車を回す風はタダ。初期投資の金額や今後20年間で発生する運営・保守にかかるコストも予測可能です。つまり、風力発電を導入すれば、石油やガスの価格変動によるリスクをヘッジできるわけです。

 ―― 今後、化石燃料が枯渇していけば、エネルギー価格の上昇は避けられません。

 エンゲル だからこそ、急いで価格競争力のある新エネルギーを開発しなければならない。我々はこれまで、風力発電のコスト削減に全力を注いできました。過年20年間で、コストはざっくり、200分に1に低下しました。

 エネルギー危機の問題は、金融危機より重大な問題です。今後、20~25年で地球の人口は20億人増えると言われます。中国やインドではエネルギー消費が急激に増える一方、既存のエネルギー源は枯渇し始めます。化石燃料に依存した世界は激変する。

 石油の値段が上がっていくことを考えれば、脱石油に取り組む必要性は明らかです。石油業界の人と話せば、当初、石油は採掘も簡単で最も安いエネルギーだったが、今後、採掘は難しくなり値段も上がると言うでしょう。

 仮に、温暖化が予測ほど酷い状況にならなくても、石油はいずれ枯渇する。気候変動のみならず、エネルギーの安全保障の観点からも、新エネルギーの開発は必要なのです。

2020年、市場は現在の8~9倍に

2008年9月に開設した風力発電関連では世界最大級となるR&Dセンター。世界の拠点で総勢1400人に研究者を抱えるが「研究課題が山ほどあり、まだまだ人手が足りない」(エンゲルCEO)

■会社概要
ヴェスタス・ウィンド・システムズ
デンマークに本社を構える風力発電機の世界最大手。
2008年の連結業績
売上高:60億3500万ユーロ(7905億円)
営業利益:6億6800万ユーロ(875億円)
従業員数:2万829人
(1ユーロ=131円で計算)
画像のクリックで拡大表示

 ―― 風力発電は石油など既存のエネルギーを代替することができるでしょうか。

 エンゲル 現在、風力発電の導入量は全世界で約13万5000メガワットです。全世界の電力消費の1~1.5%分に過ぎません。依然として、ニッチなビジネスです。

 しかし、今後、風力発電業界全体が全力を注げば、2020年には風力で100万メガワットは供給可能になり、電力消費の10~12%を賄うことができると信じています。その時、風力発電の市場は現在の8~9倍に拡大します。風力はしばしば、代替エネルギーと言われます。しかし、もし風力を使わないとしたら、代わりに何を使えばよいのでしょうか。少なくとも発電には、天然ガスと石炭しかない。太陽光発電まだコストが高く、大規模に普及するにはまだ時間がかかるでしょう。

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「消費電力の1割は風力で賄える」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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