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「流れやすく、固まりやすい」。二律背反を満たせ!

東レ「炭素繊維複合材料の革新的な高速加工技術」(その2)

2009年10月14日(水)

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前回のあらすじ)

 「4~5時間→160分」「160分→10分」という2回の驚くべき進化を遂げた東レの炭素繊維複合材料(CFRP=炭素繊維強化プラスチック)の加工技術。そこには伝統とも言える「素材研究」と「設備開発」の強力タッグがあった。

 「炭素繊維複合材料(CFRP=炭素繊維強化プラスチック)を成形するのに160分かかっていては、自動車業界での実績が伸ばせない。金属の世界に近いサイクルにしないと将来はない」

複合材料研究所長の北野彰彦(左)とA&Aセンターアドバンスドコンポジットセンター所長の関戸俊英
(写真:佐保 圭、以下同)

 東レA&Aセンターアドバンスドコンポジットセンター所長の関戸俊英は悩んでいた。2001年のことだ。

 160分を10分に短縮するとなると、既存の成形手法の延長線上で考えている限り、実現の可能性はまずなかった。

 では、いったいどうやって実現したのか。それを理解するには、日産自動車「スカイラインGT-R」のボンネットフードや三菱自動車「ランサーエボリューション」のリアスポイラーなど、乗用自動車への構造部材への採用の道を切り拓いた、そもそもの加工技術について知る必要がある。

 前回説明したように、CFRPの加工技術としては「プリプレグ/オートクレーブ」が使われていた。この方法だと、ボンネットフードの大きさで4~5時間かかる。

「湖に雨が降るように・・・」

 そこで、東レが採用したのが、「RTM成形プロセス」だった。これは、炭素繊維の織物を最終製品の形にして、同型の両面の金型に入れておく。そこに、一方向から樹脂を流して、炭素繊維の織物の端から確実に染み込ませていく。

「RTM成形プロセス」では、まず、炭素繊維(中間基材)が最終品の形に成形される。次に、この炭素繊維を同型の上下の金型で挟み、そこに、一方の端(中央の場合もある)から樹脂を流し、他方の端(中央から樹脂を流す場合は周囲)から平面(横)方向(炭素繊維の巾の方向)に真空吸引することで、炭素繊維に樹脂を含浸させながら、硬化させていく
画像のクリックで拡大表示

 RTM成形プロセスであれば、プリフォーム材(炭素繊維)を金型内に配置するのに25分、樹脂を含浸させるのに35分、樹脂の硬化に90分、金型から脱型するのに10分かかり、総計160分となった。

 この方法の大きな課題の1つは、隅々まで樹脂が流れ終わるまでに、30分以上もの時間がかかってしまうことだ。

 ある時、関戸の頭に、1つのアイデアが浮かんだ。

 「湖に例えて言うと、雨が一度にどーんと降れば、瞬間的に水が溜まるじゃないですか。片方からではなくて、上から下に流すっていうふうに発想を変えれば、たかだか炭素繊維の厚みに流れればいいわけです」

 だが、現実は、そう簡単に行かなかった。

 「最初は金型に直接溝を切って、そこに樹脂を流してみました。ところが、思ったように染み込んでくれず、なかなか時間が短縮できなくて・・・。それで、次の発想が生まれました」

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