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ネットブックは途上国で“医療機器”になる

ケータイ、SMS…、身近なITが疫病と闘う武器に

  • 福田 崇男

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2009年10月9日(金)

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 今年6月、ナイジェリアのある村で携帯電話を手にした政府の職員が戸別訪問をしていた。ドアを開けた住人に、「お宅は蚊帳を使っていますか」と問いかける。

 ナイジェリア政府は今、蚊帳の普及活動に取り組んでいる。年間感染者が260万人に上るとも言われるマラリアの感染を防止するためだ。

 同国の5歳未満の子供の死亡原因の第1位でもある。感染症はアフリカ最大の人口1億4000万人を抱えるナイジェリアのアキレス腱だ。

 対策として有効なのが、感染源である蚊を閉め出す蚊帳である。住友化学がナイジェリア国内に工場を建設し、蚊帳の生産、普及を支援している。政府は普及に向けた実態調査を始めたところだ。

 その調査員の必携アイテムが携帯電話。それもジャバ(Java)アプリケーションが動くタイプのものである。

ナイジェリア政府の職員は携帯電話を片手に村々を巡回している
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携帯で聞き取り結果を入力する50人の調査員

 「5歳以下の子供は何人いますか」「蚊帳はいくつ使っていますか」「昨夜は使いましたか」などと聞き取りをしながら、携帯電話のジャバアプリを操作して回答を入力していく。現在は50人の調査員が農村などを回っている。

 モバイルを利用するのは、交通や郵便、教育など社会インフラの整備が遅れているという事情があるためだ。蚊帳の件でも利用状況を正確に把握する必要があるが、郵便は届かず、調査票を読めないことも珍しくない。

 さらに紙は集計に膨大な時間がかかる。今回の蚊帳利用に関する調査の設問は約50。調査票にすると5枚になる。電子化の方がはるかに現実的な選択だ。

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 ナイジェリア政府が採用したのは、携帯電話を使うデータ収集システム「エピサーベイヤー(Episurveyor)」。米国の非営利組織(NPO)「データダイン」が開発した。ナイジェリア以外に、ケニア、ザンビア、ウガンダ、ガーナなど15カ国で利用されている。

 データダインの創立者であるジョエル・セラニキオ ディレクターは、「アフリカにはITを使いこなす人材は少ないし、資金も潤沢とはいえない。エピサーベヤーは簡単に使えて、無料であることが評価されている」とみる。

 アンケートを作る場合はサーバーに接続して、設問や回答形式を入力するだけ。するとサーバーが「フォーム」と呼ばれる調査用データを作成する。それを携帯電話で動くエピサーベヤーを使ってダウンロードする仕組みだ。

 ITに関する知識がなくても、簡単にアンケートを作れる。回答したデータはサーバーが集計。管理画面上でグラフ表示できるほか、エクセル形式のファイルを出力することも可能だ。

医師不足をモバイル技術で補う

 アフリカの医療サービス改善に携帯電話を使う構想を推し進めているのは、国連財団と英ボーダフォン財団である。「エムヘルス(mHealth)」と名付け資金援助に力を入れる。情報不足、医師不足をモバイル技術で補おうとの考えだ。

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