先進国ではあって当たり前のパソコンやインターネットが、開発途上国では貧困を抜け出す助けになる。バングラデシュで新しい貧困改善策が動き出している。
バングラデシュは開発途上国の中でも総所得が低い「後発開発途上国」に分類されている。アジアの中でも貧しい国の1つだ。
2008年度の実質GDP(国内総生産)成長率は6.2%と近年は急速に経済が成長しているが、1億5000万人いる全人口の約半分が1日2ドル以下で生活する貧困層といわれる。
パソコンやプリンター、デジカメなどを貸し出す
首都ダッカから車で3時間ほどの農村に昨年10月、「テレセンター」がオープンした。


テレセンターとはインターネットに接続されたパソコンやプリンター、デジカメなどを貸し出す、日本でいうインターネットカフェのような場所である。室内にあるパソコンは、2〜5台程度だ。
テレセンターを設置したのは、グラミン・コミュニケーションズ。九州大学との共同研究という形で、これまでバングラデシュ国内の2カ所にテレセンターを設置した。
通信事業者であるブラックネット(bracNet)も、これまで都市部に展開していたテレセンターを農村にも設置し始めている。その数は都市部を含め現時点で100程度。年内に200〜300カ所の設置を目指している。
「マイクロファイナンス」のグラミン財団が出資
農村という比較的所得が低い地域にいる人々が、不要不急のインターネット接続サービスに金を払うとは考えにくい。そんな地域になぜテレセンターが登場したのか。
テレセンターを推進するグラミン・コミュニケーションズとブラックネットは、どちらも社会貢献を目的とした財団が出資した企業・団体である。
グラミン・コミュニケーションズに出資したのはグラミン財団である。貧困層向けに無担保で少額を融資する仕組み「マイクロファイナンス」を世界に広めたことで知られる、グラミン銀行が設立した財団だ。
一方のブラックネットは、グラミン銀行同様マイクロファイナンスを手がけるバングラデシュ最大の財団、ブラック(BRAC)が出資する。彼らが出資していることは、テレセンターが単なるビジネスではないことを示している。
電話をかけると口頭で医療相談に応じてくれる
テレセンターは日本のインターネットカフェのような娯楽施設ではない。実は、「政府の代役」として期待されている。
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