「クロサカタツヤのケータイ産業解体新書」

ユニクロとケータイ、相似形の課題

パリで海外市場進出の余地を考える

  • クロサカ タツヤ

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2009年10月15日(木)

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 先日、とある国際機関で打ち合わせがあり、パリに滞在した時のこと。ちょうどユニクロがパリ・オペラ座近くに旗艦店を開いたばかりで、打ち合わせ後に冷やかしてみたところ、店内は盛況だった。

 ユニクロ自身は、数年前から海外展開へのチャレンジを活発化している。ただ同社の海外への挑戦は、実質創業者の柳井正氏がかつて会長に退いた時、その後を担った玉塚元一氏(現在はリヴァンプ代表パートナー)が中心となって海外進出を目指し、1度失敗を喫したという苦い歴史がある。

 今回のパリ出店は、ニューヨークに続いて、捲土重来を期した結果ということになるのかもしれない。ただ過去の経験もあり、日本ほどのブレイクを果たすかは、当のユニクロ自身も楽観していないだろう。

 1つは、いわゆるパリジャンの多様さ。旧植民地を含め、多様な国々からの出身者を抱えるパリには、それこそ多様な体型や趣味の人が集まっている。単純に考えて、そのすべてのニーズを満たすラインアップを揃えることは、容易ではない。

 また没個性を嫌う欧州では、デザインはもちろんパターン(型紙)を工夫することが、アパレル事業成功の切り札となる。しかしパタンナー(パターン・メーカー)の不足は、同社をはじめとした日本のアパレル産業全体の課題として、従来から指摘されていたこと。

 もちろん素材や縫製の良さは十分評価に値するし、前回の失敗時とは異なり、今回は腰を据えているようにも見える。しかし、そもそも消費者の特徴や気質が日本と異なる海外に、日本のビジネスを持ち込むのは、どれだけ日本で成功していようとも、容易ではない。

ラインアップが豊富な欧州

 そんなユニクロのパリ・オペラ店を眺めながら、日本のケータイ産業が海外で生きる道を考えていた。どことなく、両者に近似する構造的な課題を、感じ取ったからだ。

 欧州のケータイショップを眺めると、まず気づくのはラインアップの多さである。小さな店でも20種類、大きな店なら40〜50種類くらいはあるだろうか。ベンダーも多様で、フィンランドのノキア、スウェーデンのソニー・エリクソン、米モトローラをはじめ、韓国のサムスン電子とLG電子、中国のHuawei(ファーウエイ)やZTE(中興通迅)などアジア勢のラインアップも多く並ぶ。もちろん、米アップルのiPhone(アイフォーン)も置かれている。

 欧州の中でも、特にフランスはこうした傾向が顕著だと思う。推測すると、仏フランステレコム自身が欧州の中でも通信キャリアとして大きな企業規模を有しており、同社自身による調達力や市場構築力を有していることが関係しているだろう。

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