• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「情報通信法案」見送りで、「通信と放送の融合」は?

次世代ケータイインフラに影響を及ぼす可能性

  • クロサカ タツヤ

バックナンバー

2009年10月22日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2011年の公布・施行を目指し、次期通常国会での審議が予定されていた「情報通信法」だが、どうやら法案提出が見送られるようだ。

 一般的に法律の制定は、国会での法案成立から実際の施行まで、およそ1年を要する。そのため、次期通常国会に提出されないということは、2011年の施行は困難となったことを意味する。2011年は、地上アナログ放送の停波をはじめ、通信と放送の両分野において様々なイベントが集中する重要年となっており、これに間に合わないことがほぼ決まった、ということである。

 同法の審議や施行は、いわゆる「通信・放送融合」の実現に向け、通信・放送の両業界に産業構造の変革を促す野心的な法案だった。それだけに、今後の両業界のグランドデザインを議論するきっかけになると期待されていた中、その先送りを惜しむ声は業界の中でも少なくない。

 なにしろ筆者もその1人である。本連載は主にケータイ産業を中心に議論を進めているが、私自身はケータイ産業のほか、固定系も含めた通信産業全般や、放送・コンテンツ産業、またこれら産業の政策全般のお手伝いを生業としている。そのため情報通信法の行方は、業務を直接左右する大きなテーマでもある。

 それゆえ、これまでも様々な角度から情報通信法の行方と影響をシミュレーションしていたのだが、ことケータイ産業に限って考えてみると、今回の法案提出先送りに伴い、場合によってはLTE(第3.9世代技術)、モバイルWiMAX、XGP(ウィルコムの次世代データ通信サービス)といった「次世代ケータイインフラ」の整備にも、影響を与えるかもしれない、というシナリオが浮かんでくる。

「ハイブリッドな事業」を定義

 本論に入る前に、情報通信法について簡単におさらいしておこう。

 情報通信法は、放送と通信の区分により縦割りとなっている両産業の接近や融合を目指すべく、総務省を中心に検討が進められている法案である。2006年8月に同省内に「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」(座長:堀部政男・一橋大学名誉教授)が設置され、学界や産業界の有識者により検討が進められてきた。

 具体的には、両産業が縦割りとなっている根拠となる放送法や電波法などの法制度や規制を改め、両産業を一元的に取り扱うための新たな法的根拠や、規制(あるいは競争政策)のあり方を定めることを目指している。

 現時点でも既に通信会社がパソコンや携帯電話で動画を配信する一方、放送局もインターネット関連事業の展開や動画配信サイトへのコンテンツ提供などが進んでおり、両産業の境界は曖昧になってきている。こうした実態に合わせ、横断的な法体系を導入することが狙いとなる。

 特徴的なのは、情報通信法が「コンテンツと伝送路の水平分業」を目指していること。従来は、放送であれば放送法や電気通信役務利用放送法など、また通信であれば電気通信事業法や電波法などと、産業で垂直的に取り扱われていた法的根拠を、コンテンツ、プラットフォーム、伝送インフラ(サービスおよび設備)という水平のレイヤー(階層)構造に分け、レイヤーを超えた統合や連携を原則自由としている。

 これにより、例えば電波塔のような放送設備を持たず、ネットのみに配信を行う放送サービス事業者、という「ハイブリッドな事業」を、法律の枠の中で明確に定義できることになる。その結果、こうした事業者に対し、必要があれば競争政策の一環として支援し、また違法・有害情報の規制の枠内に収めることも可能となる。これは既存の産業構造を法制度の側から大きく変えることを促すもので、情報通信法が野心的と言われる所以でもある。

 それゆえに、既存の産業構造に依拠した事業者からは、当初から反発があった。特に、当初から警戒感を示していたのがテレビ局であり、また通信事業者も様々な観点から議論の様子を注意深く見守っていた。しかし様々な議論を重ねた結果、2007年12月に骨格が完成し、昨年からは検討の場所を情報通信審議会に移して、法案提出に向けた最終的な検討が行われていたところである。

コメント0

「クロサカタツヤのケータイ産業解体新書」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長