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“玄人”の限界、“素人”の創造性

時代はブレークスルーできる人材を求めている

  • 宮田 秀明

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2009年10月30日(金)

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 この2年間、環境関連の研究やプロジェクトが、私の全活動の約50%を占めるようになった。「二次電池による社会システム・イノベーション」のフォーラムは予想以上に大盛況だし、「沖縄グリーンニューディール・プロジェクト」は順調に離陸態勢に入りつつある。

 ロボット学会のような、私の専門とはまるで違った学会の学会誌の巻頭言を頼まれることもあるし、これまで全く無縁だった「日経エレクトロニクス」や「日経マイクロデバイス」に寄稿したりインタビューを受けることもある。

 いつの間にか私は、環境問題の“玄人”として扱われるようになっているのかもしれない。30年もの間ずっと環境問題をテーマにしている研究者よりも、私の発言に注目してくれることもある。

 しかし、一方では、私の意見や発言、シミュレーション結果、将来予測に対して、「素人の意見だ、もっと勉強してから発言しなさい」とか「船という自分の専門に戻るのがいいよ」といった忠告をもらうことも少なくない。

本当のプロとはどんな人か

 「アマチュア」と「プロ」とはどう違うのだろう。「本当のプロ」とはどういう職業人を指すのだろう。

 私は、普通のプロと一流のプロがいると思う。一流のプロは、異分野の仕事を任せても成果を出せるプロのことを言う。決められた分野のことではしっかり成果を出せるが、異分野のこととなると、そこへは移れないか、移ってしまうと大きな成果を出せないのが普通のプロだ。

 経営者でもそうだ。一流の経営のプロなら、それまでとは違った業種の経営を任されても、一流の経営ができる。異業種から乗り込んできて、難局に直面していた企業を立て直す立派な経営者も少なくない。異業種からの人だから、ある意味では“素人”ではあるが、経営の玄人なのだ。

 32年前、造船会社の設計部にいた私に東京大学への転職話が舞い降りてきた。私の出身の研究室からではなかった。船の研究のうち流体力学関係の分野は、「抵抗」「推進」「運動・操縦」の3つの専門に分かれていた。私は卒論で運動をテーマにして修論では推進をテーマにし、企業での技術開発でも、その方面の仕事が多かった。

 しかし私を勧誘する研究室は、私の苦手の「抵抗」を中心的な研究テーマとする研究室だったし、世界的にも存在感の高い研究室だった。船舶工学第一講座という明治の開学以来、船舶工学の一番中心的な研究室だった。

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