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“記録の王様”はカセットからブルーレイへ

TDK「データ記録速度が200Mビット/秒を超える相変化光ディスク技術」(その1)

2009年11月11日(水)

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 時は流れ、技術が革新されると、飛躍的な性能の進歩が製品にもたらされるだけでなく、市場が製品に求める“価値”すらも変えてしまう。

 変遷する市場のニーズを追いかけるように、MOと呼ばれる光磁気ディスクに始まり、光ディスクであるDVDそしてブルーレイの開発に携わることになるTDKの技術者たち。彼らは、2003年、“世界最速”の称号を手にした。

 光ディスクで、6倍速に当たる216Mビット/秒の記録速度を実現したのである。

 この輝かしい功績により、TDKの新商品事業化推進グループBLDグループ主任技師の平田秀樹(現SQ研究所オプティカルメディア開発グループ課長)、研究主任の井上弘康(現SQ研究所オプティカルメディア開発グループ課長)、研究員の新開浩(現SQ研究所オプティカルプロダクト開発グループ研究主任)の3人は、ほかの仲間の技術者たちとともに、2004年、第14回日経BP技術賞電子部門賞を受賞した。

光ディスクで当時の世界最速となる6倍速の記録速度を実現したTDKの技術者たちは、2004年、第14回日経BP技術賞電子部門賞を受賞した。受賞者のメンバーだったSQ研究所オプティカルメディア開発グループ課長の井上弘康、SQ研究所オプティカルプロダクト開発グループ研究主任の新開浩、SQ研究所オプティカルメディア開発グループ課長の平田秀樹(左から。写真:佐保 圭、以下同)

 時は流れ、市場が求める“価値”は、またも大きく様変わりした。

 彼らの生み出した技術が“最速”と賞讃されてから5年後の現在、人々が求める“価値”は、いまや「いかに速く記録できるか(記録速度)」ではなく、「いかに多く記録できるか(記録容量)」へと移った。

 そして、平田、井上、新開らは、時代の求める新しい価値である「量」の技術によって、世間を驚かせた。

 2009年10月初旬、TDKが幕張メッセ(千葉市)で開催された「CEATEC JAPAN 2009」で展示したのは、それまでのブルーレイ・ディスクの2層をはるかに凌ぐ、10層もの記録層を持った追記型光ディスクだった。しかも、1層当たりの記録容量は25GBというブルーレイ・ディスクに対して、約1.3倍に当たる32GB。2層のブルーレイ・ディスクの容量が1枚50GBに対して、何と320GBというケタ違いの記録容量を誇った。

 今度は光ディスク媒体における世界で「最大」の記憶容量の技術が開発されたわけだ。だが、それはかつての3人が成し遂げた「最速」の技術があってこそ実現した技術だった。

 彼らはいかにして「最速」から「最大」への変貌を遂げることができたのか。

 3人の技術者がこれまで歩んできた道は、そのまま、この四半世紀に起きた光ディスクの進化の歴史を俯瞰することにも通じていた。

始まりは「磁気テープのTDK」の否定

 1982年10月、ソニー、日立製作所、日本コロムビアから世界初のCDプレーヤーが登場。同時にソニーグループや日本コロムビアから世界初のCDソフトが発売された。アナログのレコードから光ディスクのCDへ、という転機であり、今思えば大衆社会におけるデジタル化が始まったことを示す出来事であった。

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