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次はワイヤレスか、モバイルか

ライフログによる行動ターゲティングへの分かれ道

  • クロサカ タツヤ

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2009年11月12日(木)

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 去る11月10日、NTTドコモとソフトバンクモバイル(以下、SBM)のケータイ新製品発表会が開催された。奇しくも同じ日に設定された両社の発表会の中で、両首脳同士による極めて興味深いやり取りが行われた。

 先攻は、午前中に発表会を開催した、SBMの孫正義社長。同社は今回、Wi-Fi(無線LAN)搭載のケータイ端末を発表した。同社は今後、Wi-Fiインフラの整備を進め、端末のブロードバンド化を促すという。来るべきケータイ・ブロードバンドのニーズに対応するには、現在の3G(第3世代規格)よりもWi-Fiに優位性があると、競合の通信キャリアを牽制した格好である。

 一方、後攻となるNTTドコモの山田隆持社長は、午後に開催された同社発表会の中で、名指しこそしないものの、「モバイルとワイヤレスは異なる、ドコモはモバイルの会社である」と、暗にSBMのWi-Fi戦略を一蹴。3Gインフラのさらなる拡充に向けて、小型の携帯基地局であるフェムトセルの事業化を発表するなど、互いに火花を散らす展開となった。

ワイヤレスとモバイルは別物

 このやり取りには、少々補助線が必要だろう。特にモバイルとワイヤレスの区別は、なかなか理解しにくいところだと思う。

 モバイルは、日本語では「移動体」と訳されることが多い。自動車のことを英語で「オートモービル」(モービルはモバイルと同じ)と言うことからも分かるように、利用者が移動する(動き回る)ことを前提とした、サービス形態である。従ってモバイル通信では、異なる基地局を切り替えても通信が切断しない技術(ハンドオーバー)や、高速移動中に利用できる技術(モビリティー特性)などが重要となる。

 一方、ワイヤレスは、文字通り「ワイヤ(線)」が「レス(ない)」な状態である。通常は有線で結ばれていたものが、無線技術によって伝送可能になったということである。従って、ある程度制限された空間内であれば移動は可能だが、それを超えたら基本的には利用できないことが多い。例えば、ワイヤレスマイクで喋っている人が、そのまま隣の部屋に移動すると、元の部屋では声が聞こえなくなるが、それと同じである。

 このように比較すると、同じ無線通信技術を利用する両者でも、その機能や制約条件、そしてそれによる利用シーンは全く異なることが分かる。根っこが同じでも、それぞれ別の体系やニーズを持った技術である以上、両者を善し悪しで判断することにはあまり意味がない。

 ただ問題は、ケータイ事業とはモバイル事業である、ということ。ハンドオーバーができず、動くたびに通信が切断されるケータイは、誰しもが使わない。また電車や自動車での移動中に着信が受けられないケータイを受け入れられる人は、マナーの問題はさておいても、少数である。つまりケータイである以上、誰しもがモバイルであることを前提としているのである。

 だからワイヤレス技術をインフラに採用するSBMの判断はおかしい、と批判するのは容易い。確かに筆者の周辺でも、「次世代ケータイどころか、現世代である3Gインフラへの設備投資も諦めたか」といった財務面からの指摘や、「あれだけ周波数を欲しがっていたのに、誰でも使えるWi-Fiに逃げるというのは言動に一貫性がない」といった通信政策面からの指摘がある。またさらに「そもそもSBMは以前からiPhone(アイフォーン)をWi-Fiで使おうと言っていたのだから、回線の逼迫を事業レベルで追認しただけ」と厳しい声も、特にiPhoneのヘビーユーザーから聞こえてくる。

 しかし、それらの指摘を踏まえたうえで、筆者の現在の関心は、そうした彼らの姿勢云々にはない。むしろNTTドコモとSBMの経営判断の違いが、次世代サービスインフラとして、大きな分かれ道となっていく可能性がある、というところにある。枕が長くなったが、今回取り上げる「ライフログによる行動ターゲティング」は、まさにその影響を大きく受ける領域なのだ。

行動ターゲティングは実空間にまで

 その前に、行動ターゲティングとは何か、説明が必要だろう。簡単に訳せば、利用者の行動履歴に関する情報をあれこれ採集して、分析し、利用者の状況やニーズを推測し、最適な情報を提供する手法のこと。主に広告手法として利用されており、日本では「レコメンデーション」と呼ばれることも多い。

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