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ケータイとクラウドが融合する意義

ポイントは強固なセキュリティーの実現にあり

  • クロサカ タツヤ

バックナンバー

2009年11月19日(木)

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 ソフトバンクがクラウドコンピューティング事業に参入すると発表した。モバイルを直接の対象とはしていないものの、おそらくそれを見越した動きであろう。構造としては前回の連載で触れた通りの展開と言えよう。

 通信サービスが素材や日用品のように位置づけられ、付加価値を取りづらくなってきている中、今回のように通信キャリアが情報システムのレイヤーに付加価値を求める流れは、今後も進むだろう。これはソフトバンクのようにネットワークのインフラ投資が困難な事業者だけでなく、通信キャリア全般の課題でもある。

 実際、少し前にはNTTドコモがモバイル・インフラの運用で発生する大量データの分析「ペタマイニング」を行う大規模システムの開発を進めていることが報じられた。これ自体は直接的なビジネスを念頭に置いていないかもしれないが、前回の連載で触れた行動ターゲティングのインフラにもなりうるようなシステムの開発を進めているということは、同社もやはりこうしたアプローチが必要だと考えている、と読み解くべきだろう。

 今回のソフトバンクのクラウド事業は、米ヒューレット・パッカードや米EMCなど、クラウドの素材となるハード・ソフトのベンダーから、システムを原価に近い費用で調達し、安価にサービスを提供するという。おそらくこれは、ソフトバンクとベンダーで売り上げを分け合う「レベニューシェア」によるビジネスモデルと思われる。有利子負債の圧縮を至上命題に掲げ、設備投資を最小限に絞っているソフトバンクと、クラウドコンピューティング事業の拡大を狙うベンダーの利害が一致した、よく考えられたビジネススキームである。

クラウドというバズワード

 ところでこのクラウドという言葉、最近あちこちで見かけるどころか、目につきすぎてやや食傷気味、と感じる方も少なくないだろう。確かにIT(情報技術)の世界では今が旬の「バズワード」である。それこそ民間企業だけでなく、日本政府でさえも「霞が関クラウド」や「スマートクラウド」という言葉を使っており、流行をさらに後押ししているように見える。

 バズワードとは、もっともらしく聞こえるものの、実は何だか分からない、そんな言葉のことである。少し前の代表例として“ウェブ2.0”がある、と挙げれば分かりやすいだろう。このバズワードの最近の筆頭がクラウドである。なにしろGoogleで検索すると、関連する検索候補の2番目に「クラウド」が提示されるのだから、その「バズっぷり」たるや、推して知るべしというところだろう。

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 確かに、クラウドという情報システムのスタイルに、現状の日本では今一つ現実感に乏しい。例えばクラウドによるサービスの代表例として挙げられる、米グーグルのGmail(電子メールサービス)やDocs(オンラインによる文書作成や表計算などのアプリケーション提供)が、日本の企業社会の中ではあまり活用されていない、というのはよく知られた事実である。

 この傾向は、特に大手企業になるほど顕著でもある。筆者の周辺でも、こうしたサービスを積極的に利用しているのは、それこそ筆者のような中小企業事業者やフリーランス、あるいは所属する企業からは離れた一個人として利用する、というケースが圧倒的に多い。米国では大手企業が情報システムとして採用する動きも出てきたようだが、日本ではまだまだ、というのが実態だろう。

 このようにクラウド利用が掛け声ほどには進まない大きな理由として、「信頼性」が挙げられる。要は、本当にクラウドの先にあるインフラや事業者を信じていいのか、ということだ。情報が企業にとって最大の資産であり、また企業活動そのものでもある以上、こうした意識が高まるのは、その善し悪しは別としても自然な流れではある。

 特に日本は近年、企業の法令遵守に対する意識が極めて高い状態にある。やや行き過ぎによる萎縮状態とさえ言われる現状において、「計算機資源の実体がどこにあって、どのように管理されているかが分からない」クラウドの環境を利用することに二の足を踏むのは、致し方ないといえよう。

ケータイはNGNそのもの

 とはいえ、クラウド自体を否定するべきではなく、むしろクラウドの考え方や技術自体が今後重要になるのは間違いない、と筆者は考えている。クラウドを活用すれば、情報管理やシステム管理の効率、また情報利用の多様性は確実に高まっていく。それこそ筆者も前述のグーグルのサービスを利用している1人だが、たかだか個人レベルであったとしてもその効果は確実に体感できる。

 また冒頭に触れたソフトバンクの事例でも「レベニューシェア」という言葉を使ったが、これはサービス提供側の話だけではない。クラウド環境を活用すれば、ユーザー企業もその情報システムを「使った分だけ費用を支払う」ということが可能となる。

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