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壊すビルが資源となって、新しいビルができる

清水建設「建築現場で廃コンクリートをリサイクルする技術」(その2)

2009年12月16日(水)

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前回のあらすじ

 廃コンクリートの再利用に取り組んだ清水建設の技術者たち。廃コンクリートから高品質の骨材を取り出す三菱マテリアルの「加熱すりもみ法」と出会って、大きく1歩前進したように見えたが・・・。

 2000年から始まる技術研究所の音響実験棟の増改築工事に、清水建設は「再生コンクリート」の技術の導入を決定した。

 このシステムの研究プロジェクトの実質的なリーダーだった、技術研究所生産技術センターのセンター所長、橋田浩は言う。

 「実は、この時に『コンクリート資源循環システム』という名前を考えたんですよ」

何事も役所と協議

 1995年から「コンクリートの骨材の再生とリサイクル」の研究を続けてきた同技術センター主任研究員の黒田泰弘らが最初に考えたシステムとは、次のようなものだった。

1. 取り壊す建築物を事前に調査して、そのコンクリートがリサイクルに適したものか、確認する
2. 建築物が解体・粉砕された後の廃コンクリートを骨材と微粉末に分離する
3. 再生された骨材を新たな建築物のコンクリートに使用する

 実際には、材料として同じ頃に清水建設が担当していた東京電力の解体物件の廃コンクリートが使用された。この廃コンクリートを三菱マテリアルの研究施設まで運搬し、プロトタイプの設備で「加熱すりもみ」して、良質の骨材と微粉末を分離した。その骨材を音響実験棟の工事現場に運び込み、増改築用のコンクリートに使用した。

清水建設技術研究所生産技術センターの橋田浩センター所長(写真:佐保 圭)

 「(施工のための補助工事に使う)捨てコンクリートや仮設など試験的に一部に使った例や、イベントの時だけ使って1~2年後に壊す例はありましたが、再生骨材を建築の構造体として本格的に使った例は、それまでなかったんですよ」と橋田は誇らしげに言った。

 だが、黒田が最も苦労したのは“技術”の問題だけではなかった。黒田は言う。

 「一事が万事、初めて動かしたので、全部、役所と『どうする?』という協議が必要でした。全社的に取り組みましたが、役所に行く時はいつも同席しました。いろいろ問題が出てくるのですが『これだけの品質のあるものだから大丈夫です』とか『これだけの試験をしてこの結果だから大丈夫です』とか、説得するためには品質や安全性のデータをとっておかなければならなかった」

 中でも黒田たちを悩ませたのは、再生した骨材の法的な扱いだった。

 「建築の場合、構造用の建築材料である指定建築材料にはJIS規格品を使うのが原則です。それに対して、再生骨材には当時まだ規格がなかった」

清水建設技術研究所生産技術センターの黒田泰弘主任研究員(写真:佐保 圭)

 廃コンクリートから取り出された砂利や砂などの骨材も、元は「起源(山や川)はどこか」などが厳しくチェックされたJIS規格品だった。だが、それが廃コンクリートから出てくると「○○ビルから採掘」というわけにもいかず、JIS規格として認められないという話だった。

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