• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ASEANの足になる? 年600万台の大市場に初めて現れたオートマのモペット型2輪車

  • 浜田 基彦

バックナンバー

[1/2ページ]

2009年12月10日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 1000万円もするクルマや、時速200キロも出るクルマの記事を書いていると、尾てい骨の辺りがムズムズすることがある。これが世の中のためになるんだろうか。頭脳と熱意を別の方向に向けた方がいいのではないか。いやいや「金持ちから金をふんだくって労働者の仕事を作る“義賊”の仕事だ」と思えばいいさ。……などと自分に対して言い訳することもなく、気持ちよく書けるのがこの話題だ。

ヤマハ発動機が発売する「LEXAM(レグザム)」

 ヤマハ発動機がベトナムで発売する2輪車「LEXAM(レグザム)」。清く正しく美しく。ASEAN(東南アジア諸国連合)の人たちの暮らしに役立つ“足”だ。

 ASEANは人口5億8000万人、年に1000万台規模の2輪車が売れている。そのうち600万台は前後17インチのタイヤを履き、乗り降りしやすいように主フレームが下側へ湾曲した2輪車だ。ヤマハは「モペット型」と呼ぶ。

 清く正しくても欲はある。楽なオートマを知ってしまえばマニュアルに戻りたくはない。タイヤの小さな「スクータ型」の2輪車ではオートマ、それもCVT(無段変速機)が常識だから問題はない。問題は今までオートマがなかったモペット型のお客様だ。

 何しろASEAN諸国は舗装率がとんでもなく低い。荒れた道を、大家族を全員乗せてかっ飛ばす。タイヤが大きく、安定して走れるモペット型の2輪車が欲しい。シェア6割も納得である。「LEXAM」は、その大市場に初めて投入したオートマで、しかもモペット型の2輪車なのである。

硬いけど柔らかい、ヘンなベルト

 スクータ型のCVTはかなり大きい。エンジンから車軸に力を伝えるベルトがそのままCVTのベルトを兼ねている。それなりにうまい設計ではある。

 これと同じことを、モペット型の2輪車に応用するわけにはいかない。マニュアル版も残すことになるから、CVTは今のマニュアル変速機の寸法に納めたい。よしんば専用に設計できたとしても、スクータ型のCVTでは重心が後ろに下がりすぎ、安定して走れない。もっと小さなCVTが欲しい。

 CVTを小さくするためには、プーリ(ベルトを巻きつける滑車)を小さくして、ベルトも小さく巻きつけたい。ところが、今のゴムベルトではそれができない。

 ゴムベルトをプーリに巻きつけて引っ張ると、プーリの谷に引き込まれるように変形する(下のイラスト)。回転させると、プーリに巻きついたところでは変形し、直線では元に戻る。これを繰り返すから、ベルトは熱を発生し、損失が出る。それがいやなので、ゴムベルトはむやみに柔らかくはできない。

ベルト1コマを拡大。ナロマジロ(左)はこの形の変形に対しては硬いが、ベルト全体としては柔らかく曲がる。ゴムベルト(右)はプーリの谷に引き込まれるように変形する

コメント1件コメント/レビュー

いや確かにそうです。スーパーカーのインプレより、どの車を選択し、どう使えば今の生活を良くできるのか、こっちの方が役に立ちます。でもそんな車雑誌は店頭に置いてくれないでしょう。今回の記事は、ASEANの毎日の生活で一番役立つバイクは何だろうかと設計者がまじめに考え、それを実現するための中核部品の開発の話です。日経AutoMotive 的にはOKで、車雑誌的には×でしょう。しかし、ヤマハはこれを足懸かりにしてASEANで4輪に参入できないものでしょうか。VWがスズキと提携した理由にスズキのインド市場とニュースにありましたが、そもそも、その市場は2輪から始まったと聞きますから。今回も殆どの人が思いつかない、気の付かない視点でした。次回の記事も楽しみにしています。(2009/12/10)

オススメ情報

「浜田基彦の「走る 曲がる 止まる」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いや確かにそうです。スーパーカーのインプレより、どの車を選択し、どう使えば今の生活を良くできるのか、こっちの方が役に立ちます。でもそんな車雑誌は店頭に置いてくれないでしょう。今回の記事は、ASEANの毎日の生活で一番役立つバイクは何だろうかと設計者がまじめに考え、それを実現するための中核部品の開発の話です。日経AutoMotive 的にはOKで、車雑誌的には×でしょう。しかし、ヤマハはこれを足懸かりにしてASEANで4輪に参入できないものでしょうか。VWがスズキと提携した理由にスズキのインド市場とニュースにありましたが、そもそも、その市場は2輪から始まったと聞きますから。今回も殆どの人が思いつかない、気の付かない視点でした。次回の記事も楽しみにしています。(2009/12/10)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

顧客の資産を生かして一緒に価値を作り上げる必要性が出てきました。

山田 義仁 オムロン社長兼CEO(最高経営責任者)